伝説の霊媒師は、女好きで金遣いの荒い青年だった!?

「Spiritua Call〜彼の者は霊約師〜」は、悪霊となってしまった魂を救うために旅を続ける青年とその弟子との活躍を描いたRPG。舞台となる「ノストランディス」には、生きる人が住む「地上界（ヒュノム・フィウス）」と、死んでしまった人が住む「霊界（エレム・フィウス）」の二つの世界が存在した。肉体を離れた魂「霊（スピリチュア）」は、地上界から霊界へと上ってゆく。しかし、何らかの未練を残した魂は、「悪霊（ネガ・スピリチュア）」となって、地上に縛られ続けることになる。

そんな悪霊を救うために旅をする霊媒師「アーネス」とその弟子「クルルド」。二人は旅の道中、「メルキナ」という名の女性に出会う。メルキナは2匹の悪霊に襲われていた。彼女の容姿を気に入ったアーネスは早速、契約霊「ヴァルキリー」「ウィッチ」「バード」を呼び出し、悪霊と戦いはじめる。戦い終わったアーネスは「霊界の仮面（マスク・オブ・エレム）」を被り、正気に戻った霊と対話をして、霊界へと導いた。

一連の様子を見たメルキナは、アーネスとクルルドに「『ケルピエム村』を悪霊の呪いから救ってほしい」と頼む。メルキナによると、村人たちが次々と悪霊になっているという。しかし、肉体を離れた魂が悪霊となるには何年もかかり、しかも肉体ごと悪霊に変化することは通常あり得ない。訝しがりながらも、とりあえず事態を収めるため、アーネスとクルルドはメルキナに案内されてケルピエム村に向かう。

頼りになる契約霊とともに、迫り来る敵を蹴散らせ！

戦闘はシンボルエンカウント方式が採用され、移動マップ上に存在する「赤い炎」や「悪霊」に触れると、戦いに突入する。赤い炎を倒すとお金（god）を得ることができ、悪霊からは能力の成長に必要な「RP」を入手できる。レベルアップの概念はなく、習得したRPをHP、攻撃力、精神力などに振り分けて、各キャラクタを成長させてゆく。

戦闘に参加できるメンバーは、アーネス、クルルドと3体の契約霊（ヴァルキリー、ウィッチ、バード）。伝説の霊媒師と誉れ高いアーネスは唯一、敵からアイテムを盗むことができる。主にHPと攻撃力を成長させると立派な戦士になるが、スキルは覚えない。弟子のクルルドは、「戦闘不能」から回復させる「地返しの儀」を使うことができる。しかし、全体的に能力値は低い。

契約霊では、ヴァルキリーがさまざまな種類のスキルを覚え、使い勝手がよい。ただし、ステータスは異常に低い。妖術攻撃を得意とするウィッチは、序盤から終盤まで対悪霊戦の攻撃の要になるが、物理攻撃に弱い。完全補助型の契約霊であるバードは敏捷性が高く、先制攻撃を仕掛けられるが、それ以外の能力は低い。

キャラクタのレベルアップの概念がなく、作業的なレベル上げをする必要がないのも特徴のひとつ。戦闘は、スキル使用時の演出などがハデなわりにはテンポがよく、キャラクタの成長も早い。ストレスを感じることはほとんどない。一般的なRPGでは、ストーリーを進めるにあたって、戦闘でひっかかりを感じることが多いが、「Spiritua Call〜彼の者は霊約師〜」ではそういう心配がまったくなかった。戦闘に参加するメンバーの能力や役割がはっきりしており、最初の段階で各キャラクタの特徴を掴むことができ、戸惑うことなくキャラクタを育てられた。特に契約霊は長所を伸ばすと、非常に強力な戦闘要員となる。

壮大で重厚な物語というわけではないが、短いストーリーの中におもしろい要素がギュっと詰まっている。やり込み要素のあるRPGが苦手で、ストレスなくゲームを楽しみたいという人は、ぜひプレイしていただきたい。

開発中に苦労した点
戦闘バランスの調整ですね。短編ならではの“軽快さ”を重視する一方、戦闘が単なる作業になってしまわないように、戦闘スピードや敵能力値などを何度も何度も変更し、調整を繰り返していたら、いつの間にか制作期間の1/3強を戦闘バランス調整に割いていました。いま振り返ると「あの期間が一番苦労したかなぁ〜」と。あとは、キャラクタの名前を考えることですかね（笑）。 たしか登場人物全員の名前を考えるのに丸2ヵ月くらい頭を痛めた記憶が……（汗）。

ユーザにお勧めする使い方
各キャラクタともパラメータの自由成長、スキルの装備制を採用していますので、「魔法が得意な見た目戦士」「肉弾戦が得意な見た目サポート役」など、みなさまなりのパーティを作り上げてお楽しみください。

今後のバージョンアップ予定
バグ修正はもちろんのこと、みなさまからのご意見やご感想をもとに、新たな機能やイベントなどを追加してゆきたいと考えております。

作者よりみなさまへ
初の完成作品ゆえ、未熟極まりないと感じられる方も多いと思います。ご意見、ご指摘、ご感想等ありましたら、当方の掲示板、メールなどにて、なんなりとお寄せください。みなさまの声とともに、この作品をはじめ、私自身も成長してゆけたらと願っております。