マルチエンディング型のアドベンチャーゲーム。自分に王位継承権があると突然告げられた平凡な主人公が、武道や勉学に励みながら王城の人々と親交を深めてゆく。ある日突然、自分に王位継承権があると知った主人公の運命は?
「冠を持つ神の手」は、「グラドネーラ」というファンタジー世界を舞台にしたアドベンチャーゲーム。物語は、「リタント王国」で暮らす主人公「レハト(名称変更可能)」が、母親の死によって自分の出生の秘密を知るところからはじまる。
母親と二人、辺境の村でひっそりと暮らしていたレハトは、14歳のときに母親を亡くす。レハトの額には、生まれながら痣のようなものがあったが、母親の言いつけでこれまでずっと隠していた。レハト自身は「変な痣だ」くらいにしか思っていなかったが、実はこの痣こそ、リタント王国の王位継承権である「アネキウスの選定印」だった。母親を亡くし、痣を隠さないようになってから間もなく、レハトのもとに王城の使いを名乗る「ローニカ」という男性が現れる。「アネキウスの選定印」について彼から説明を受けたレハトは、強引に王城へと連れてゆかれる。
城に着いたレハトは、リタント王国の現女王「リリアノ」から、肩の力を抜いて城でいろいろなことを学べばよいといわれる。しかし城には、リリアノの甥で、レハトと同じ歳の次期国王候補「ヴァイル」や、リリアノの一人息子にもかかわらず、選定印がなく、継承権のない「タナッセ」など、癖のある人物が待ち受けていた。さらに、噂好きな大勢の使用人たちからは、好奇の目で見られる。さまざまな不安を抱えながら、レハトは武術や勉学など、さまざまなことを学ぶべく、王城での生活をスタートさせる……。
王を目指すか、自分の信じる道へと進むかはプレイヤーの選択次第
ゲームは、主人公の「武勇」「知力」「信仰」「礼節」「魅力」「交渉」の六つの能力を伸ばしながら進めてゆく。王を目指すもよし、気に入った人物と仲よくなるのもよし。成人(15歳)を迎える年明けまでの成果でエンディングが決定する。
舞台となるグラドネーラでは、1週間は10日。週の1日〜4日目と6日〜9日目が「平日」、5日目が「中日」、10日目が「休日」となっている。平日は、王位継承権を持つ者としての教養を身につける訓練日。週の最初に、前半と後半にそれぞれどの能力を特訓するか決定する。訓練中は自動進行で、イベントは発生しない。
訓練が休みの中日/休日では、さまざまなイベントが用意されている。中日では、それまでのイベント進行や能力値の増減によって、自動的に何らかのイベントが発生するが、行く場所などは指定できない。逆に休日は、プレイヤーが行動を決定できる日。足りない能力値を補うために特訓したり、好きな場所を訪れたり、気になる人物のもとを訪れたりと、自分の好きなように行動できる。
ゲームで重要なのが「好感度」と「印象度」。この二つの数値でイベントがさまざまに変化する。好感度は、ある人物が主人公のことを好ましく思っている度合いで、イベント中の選択肢や能力値などで変化する。好感度の数値は、画面上に表示されないので、相手の態度などで推測しなければならない。印象度は、プレイヤーがある人物をどう思っているかということ。対象となる人物のイベントが発生した1日の終わりに、数値の増減を入力できる。
好感度と印象度は「愛」「憎」と「友」「嫌」の二つの軸に分かれ、数値の上げ方によっては「嫌いだが、気になる」や「友情と嫉妬の板ばさみ」など、複雑な状態に陥る。人物だけでなく、城なども好感度や印象度の対象となる。