簡単な操作で3Dキャラクタ/ムービーを作成できるソフト。用意されたテンプレートを配置して動きをつけるだけで、3Dムービーを作ることができる。「iClone 3 PRO」は、豊富に用意されたテンプレートを利用して、クォリティの高い3Dムービーを作成できるソフト。読み込んだ顔写真から3Dキャラクタを作成できるほか、同梱された「3DXchange」を使って、Googleの提供する「Google 3D ギャラリー」のデータをインポートすることもできる。
大きな特徴が、簡単な操作で3Dムービーを作成できること。一般的な3Dムービー作成ソフトでは「モデリング(物体作成)」「モーション(動作)指定」の二つの作業が必要だが、「iClone 3 PRO」ではこれらの作業が大幅に簡略化され、簡単に3Dムービーを作成できるようになっており、3Dモデリングやモーション編集などの知識や経験のないユーザでも手軽に扱える。
モデリングは、好みのテンプレートを選択するだけでよい。テンプレートには「キャラクタ(人物)」、地形、空、木、草などの「セット」、3Dシーンや2D背景画像の「ステージ」など、さまざまな要素が用意され、テンプレートを組み合わせるだけで、3Dキャラクタを含むシーンを作成することが可能。テンプレートにパラメータを設定することもできる。明度やコントラストなどのカラー調整、環境光の設定などを行えば、さまざまなシーンを演出することが可能だ。
「人物」テンプレートでは、顔や髪型、等身、体型、服装など、さまざまなパーツを変更することが可能(アバター機能)。視線から指の長さや太さまでを指定することが可能で、細部にこだわった、自分好みのキャラクタを作れる。
既存の顔写真やイラストなどから動く3Dキャラクタを作成できることも大きな特徴のひとつ。(抽出された)人物の顔の向きの指定と部位調整を行うだけで、3Dキャラクタが完成する。作成したキャラクタに動きをつけるには、一覧の中から希望するモーションをキャラクタ上にドラッグ&ドロップするだけでよい。利用できるモーションは豊富。歩く、走るといった単純な動作から、モデル風のポーズを取ったり、ダンスをしたり、楽器を演奏したり、運動をしたりといったものまでが用意されている。
モーション作成機能も搭載し、オリジナルのモーションを作成して、キャラクタに適用できる。モーションを定義するのも簡単。主要なポーズを複数指定するだけで、ポーズ間の動きが自動的に補間され、複数の連続した動作もスムーズに定義できる。人体モデルでは、関節の曲がる方向や曲げられる角度までが定義され、不自然な動きにならない。
同じく(株)AHSから発売されている「CrazyTalk 5」とデータを連携させることで、3Dモデルの表情と音声とを連動させた3Dアニメーションを作成することも可能。作成したアニメーションはAVI形式でエクスポートでき、ハイビジョン解像度での出力も可能だ。多くの3Dモデリングソフトで採用されるBVH形式にも対応する。
「PRO」版のほかに、編集機能などが割愛された「Standard」版もある。