統合セキュリティ対策ソフト「ノートン インターネットセキュリティ」シリーズの新バージョン。未知の脅威に対する検知能力の強化、スキャン速度の向上やイベント履歴の記録、詳細なファイル情報の表示などで、従来以上にきめ細かなセキュリティ対策を実現する。「ノートン インターネットセキュリティ」は、ウイルス/スパイウェア対策をはじめ、フィッシング詐欺対策、ボットネット対策、脆弱性保護、ネットワーク監視、ブラウザ保護などの機能により、さまざまな脅威からパソコンを保護してくれる、個人ユーザ向けの統合セキュリティ対策ソフト。新バージョン「2010」では、(定義ファイルだけでなく)インターネット上のサーバにある最新の情報を利用してファイルの安全性を確認できる「インサイト ネットワーク スキャン」が追加されたほか、検索結果からWebサイトの安全性を識別できるようになるなど、さまざまな機能追加・強化が行われた。前バージョンで追加された「ノートン インサイト」も強化され、信頼性評価の高いファイルをスキャン対象から除外することで、さらなる効率化を実現。そのほかにも、
- ファイル/アプリケーションの配布元や信頼性、処理速度への影響度を確認できる「ファイル インサイト」
- ダウンロードしたファイルの実行前に危険度を判断し、警告してくれる「ダウンロード インサイト」
- パソコンとアプリケーションのパフォーマンスを向上させ、維持する「システム インサイト」
- 新たな脅威に対応するための「インサイト ネットワーク スキャン」
などの新機能が追加され、さらに安全性が向上した。主な機能は「コンピュータ」「ネットワーク」「Web」の各グループに大別される。メイン画面では、グループごとの機能のON/OFFを設定したり、詳細な設定画面を呼び出したりすることが可能。設定画面は階層構造による折り畳み/展開が可能で、複数項目の設定もスムーズに行える。
「コンピュータ」は、ウイルス対策、スパイウェア対策など、パソコンに直接被害を与えるような脅威に関する設定がまとめられたグループ。感染しやすい領域や起動ファイルだけをチェックするクイックスキャンなどを実行したり、未知の脅威をリアルタイムに検知する「SONAR保護」や、「Norton Community Watch(シマンテック社に集められたセキュリティ情報を取得する機能)」の最新データにもとづく保護を行ったりできる。
「ネットワーク」グループで行えるのは、ネットワークからの攻撃や不正アクセスからの防御、電子メールやインスタントメッセージ経由で感染するウイルスのスキャン、迷惑メール対策などに関する設定。OSやアプリケーションの持つ脆弱性を保護する機能や、ローカルネットワークに接続されたデバイスの状態を監視する「ネットワークセキュリティマップ」機能などもある。
「Web」グループでは、フィッシングサイトの判定のほか、WebページやWeb検索結果に表示されるリンク先、ファイルのダウンロードに関する安全性評価などを行うことが可能。安全にWebブラウジングするための機能として、Webサイトのセキュリティレベル分析などを行える「Norton ツールバー」がIE/Firefoxにインストールされ、さらにサイトの安全性をひと目で確認できるよう、Web検索結果ページに「サイト評価アイコン」が表示される。「IDセーフ」機能では、ログイン認証が必要なページのユーザアカウントやパスワードを暗号化保存し、入力を省力化することが可能。クレジットカード番号や運転免許証番号、パスポートの番号なども登録しておける。
これらの主要機能のほかに、製品を購入した正規ユーザのためのアドオンパックとして、不適切なWebサイトへのアクセスなどをブロックする「保護者機能」と、個人情報の流出を防止する「プライバシー制御機能」を追加することも可能だ。
メイン画面には、各グループの主要な設定状態が表示される。パソコン全体の保護状態を「安全」「注意」「リスクあり」の3レベルで示す「セキュリティ状態インジケータ」、CPUとメモリの使用率を示す「CPUグラフ」「メモリグラフ」もあり、現在のパソコンの状態を簡単にチェックするできるようになっている。そのほかにも、
- CPUおよびメモリの使用率を示すリアルタイムモニタ(グラフ)とバックグラウンドジョブの一覧を表示する「Nortonタスク」
- CPUおよびメモリの使用率をリアルタイムでモニタできるほか、当月を含め3ヵ月間に記録されたセキュリティ履歴(スキャンやダウンロードなどのイベントの記録)を参照できる「パフォーマンス」
- スキャンレベルとスキャンの対象となる実行ファイルやDLLファイルを設定できる「アプリケーション評価」
といった機能が用意されている。「アプリケーション評価」の画面には、実行中のファイルやすべてのファイル、起動項目、パフォーマンスに大きく影響する項目などを必要に応じて表示させることができ、各ファイルの「ノートン インサイト」による評価レベルや「Nortonコミュニティ」の使用状況、リソースの使用率などを確認することが可能。リスト上のファイル名をクリックすることで「ファイル インサイト」を呼び出し、当該ファイルの利用者数や更新日などの情報を参照することもできる。そのほかにも、「ノートン インターネットセキュリティ」自体のパスワード保護機能やノートパソコンのバッテリー消費を抑える省電力モードを搭載。CPU使用率やパフォーマンス監視のON/OFF切り替えなども行える。検出された脅威やネットワーク攻撃などのデータ、サイバー犯罪の最新情報などを教えてくれる月単位のレポート表示も可能だ。