SD画質の動画をアップコンバートして、高画質動画の編集・作成を行える“HDビデオ編集ソフト”。「PowerDirector」は、簡単な操作と高いカスタマイズ性とで定評のある動画編集ソフト。搭載される機能は多彩。動画のカット、エフェクトの追加といった編集機能やオーサリング機能をはじめ、数多くの機能を利用できる。新バージョン「PowerDirector 8 Ultra」では、動画を高解像度ビデオ並みの画質にアップコンバートする「ビデオエンハンスメント」機能が追加されたほか、レンダリング速度の向上も図られた。動画編集機能も大幅に強化され、最大16のトラックタイムライン、9トラックのPiP(Picture-in-Picture)、4トラックまでのオーディオトラックに対応。デュアルモニタ出力にも対応し、プレビュー画面を独立したディスプレイに表示させることもできる。YouTubeやFacebookへの公開機能も追加された(「PowerDirector 8」には「Ultra」のほかに、一部機能の割愛された「Deluxe」がある)。
CPU/GPUへの最適化では、Intelの新コア「Core i7」をはじめ、NVIDIAの「CUDA」、AMDの「ATI Stream」に対応し、レンダリング速度の向上を実現。HD動画を編集したり、複数のエフェクトを施したりといった作業でも、高速に処理できる。さらに、「シャドウファイル(代理ファイル)」にも対応した。解像度の低いシャドウファイルを使用することで、作業レスポンスが向上する。シャドウファイルの作成は自動的に行われ、ユーザが設定などを行う必要はない。大量のファイルを読み込む際に生じるレスポンスの低下などにも対応できるよう、キャッシュ編集機能も改善された。
ビデオエンハンスメント機能には、サイバーリンク社のソフトウェアDVDプレイヤー「PowerDVD 8」で採用された「TrueTheater Technology」が使われている。標準画質の映像をフルHD並みの画質にアップコンバートできるほか、ぼやけた画像をシャープにしたり、動きをスムーズにしたりといったことが可能で、映像品質を向上させられる。
動画編集機能では、粒子状でランダムに動く雪や紙ふぶきなどのエフェクトを画面内に自由に配置できる「パーティクルエフェクト」が新たに追加された。放射状や雨模様といった広がり方のほか、動き方、サイズなどを細かく設定でき、動画にファンタジー映画のような効果を施せる。さらに、「パワーツール」も新たに搭載された。再生速度の微調整や逆転再生、動画の一部フレームを切り抜くクロップなどの機能を利用できる。「90度単位で動画を回転させる」といった操作も行える。
カット編集では、ひとつの動画クリップから複数のクリップを同時に切り抜く「マルチトリム編集」が可能。トリム位置の指定では、秒単位やフレーム単位でのフレームプレビュー表示が可能で、より厳密なカット編集を行える。
編集した動画は、H.264/MPEG-4/DV-AVI/QuickTime/RealVideo/WMVなどの形式で出力できる。HD画質でのFacebookやYouTubeへのアップロード、iPhone/iPod、PSP対応形式での保存にも対応する。
「PowerDirector」ユーザのためのコミュニティサイト「DirectZone」では、多数のエフェクトやPiPオブジェクト、DVDメニューテンプレートなどの素材が公開されている。素材にコメントをつけたり、クリエイターの作品を鑑賞したりもできる。