さまざまな地図の「投影法(光源と投影面を利用して、本来は球面である地球表面を平面に写し取る方法)」を簡単な操作で確認できる点が大きな特徴。地図の基本を学ぶのに最適なソフトだ。図法を選択するメニューは、まず「方位」「円筒」「円錐」といった地図の形状(投影面)を選択し、次に「心射」「平射」「外射」「内射」「正射」「正積」という光源の位置や性質を指定するというように、地図の仕組みがよくわかるように工夫されている。しかも、これらの多様な図法を、メニューを切り替えるだけで(「簡易」とはいえ)、ストレスなくすばやく描画してくれる。
投影法の違いによって生じる地図の特徴や、正確に描画できる地図要素などを理解することができるほか、同じ図法でも地図の中心や標準緯線を変えることで、地図全体の形が変わってゆく様子を目で見ながら、地図の知識を理論的に学ぶことができる。
地図の作成法を基礎から学習したい人や、必要な国(地域)の地図を目的に合わせて作ってみたい人にお勧めしたい。
(坂下 凡平)