「金魚鉢」は、クリップボードに転送された文字列（履歴）を保持し、再利用できるようにするクリップボード拡張ソフト。クリップボード履歴は、タスクトレイアイコンの左クリックまたはホットキーで簡単に呼び出すことが可能。最大5,000件の履歴を保持できる。終了後も履歴を保持できるほか、任意時点で履歴をクリアしたり、終了時にクリアしたりすることも可能だ。

「金魚鉢」で行える操作は、

• クリップボード履歴で選択した文字列を再びクリップボードに転送する
• クリップボード履歴で選択した文字列を直前のアクティブウィンドウに貼り付ける
• あらかじめ登録しておいた定型文をクリップボードに転送する
• 選択したクリップボード履歴を削除する

大きな特徴が、保持した履歴を対象にインクリメンタル検索を行えること。入力ボックスに入力した文字に合致した履歴が、順次絞り込まれて表示される。

保持する履歴の数や履歴検索ボックスの幅、行数などは、ユーザが自由に設定することが可能（履歴の数は最大5,000）。初期状態では「金魚鉢」を終了しても履歴はそのまま保持されるが、終了と同時に履歴をクリアするオプションも用意されている。

最大の特徴は、クリップボード履歴のインクリメンタル検索機能を備えていること。入力ボックスに検索語を入力すると、部分一致するものが履歴上で絞り込み表示されるというものだ。履歴の中から目的のものを見つけ出すことは──直近のものならともかく──ちょっと昔のものになると大変なものだが、インクリメンタル検索機能によって、それが非常に容易になる。逆にいうと、この機能のおかげで、より多くの履歴を保持しても大丈夫ということになる。

動作としては、選択した履歴を「クリップボードに転送する」「直前のアクティブウィンドウのカーソル位置に貼り付ける」の二つがあるが、「金魚鉢」では基本が「クリップボードに転送する」であって、「カーソル位置に貼り付ける」ためには【Ctrl】キーを押す必要がある。実際の作業としては「カーソル位置に貼り付ける」ことの方が多いように思えるので、逆の方がいいような気がするのだが、どうだろうか。定型文の挿入も同様で、こちらは「カーソル位置に貼り付ける」機能そのものがないのだが、これもほしいところだ。また、定型文の登録操作がちょっと煩雑な気もするので、ここもちょっと改良してほしいと感じた。

ユーザにお勧めする使い方
クリップボードの履歴は、最大5,000件までの表示、ファイルへの記録、さらに1件単位でのクリアも可能なので、クリップボードの状態を気にせずに、どんどんコピーすることができます。それらをインクリメンタル検索を駆使して効率よく取り出すといった感じで、メモの代わりや定型文挿入機能的にお使いいただくのがお勧めです。