第16回世界コンピュータ将棋選手権での優勝などで有名な強豪将棋ソフト「Bonanza」の2005年当時の思考エンジンが組み込まれた将棋ソフト。人間を相手にしているような、自然な手を指してくる。他の将棋ソフトとは異なる思考ルーチンで自然な棋風を実現
「Bonanza Classic【無料版】」は、“コンピュータっぽくない”手を指し、プロ棋士をも唸らせる実力を持つことで定評のある本格将棋ソフト。2005年のデビュー当初から棋力の高さと自然な棋風が高く評価され、2006年に行われた第16回世界コンピュータ将棋選手権では、初出場・初優勝の実績を上げている。さらに、2007年には渡辺明竜王と、コンピュータ将棋としては初のタイトル保持者との平手での対局も行っている。
最大の特徴は、思考ルーチンに「全幅検索」と呼ばれる手法が採用されていること。従来の将棋ソフトとは異なり、「手を絞り込まず、局面を網羅的に評価する」ことを目指している。さらに、6万局に及ぶ棋譜データから1万以上の特徴パラメータを抽出し、独特の評価関数を自動生成。従来の将棋ソフトの常識を覆すこれらの手法により、攻撃的で人間らしい棋風を実現している。
コンピュータの強さは3段階または秒読み設定で調整できる
操作はマウスで行う。目的の駒を左クリックして摘み、そのままマウスを動かして目的のマスの上で再度左クリックすることで、駒を指せる。初期設定では、駒を摘むとその駒が移動できる場所の色が変化するため、初心者でもわかりやすい。駒が移動できない場所をクリックして、駒の移動をキャンセルすることも可能。指した結果、駒が成れる場合は、成るかどうかをダイアログで確認できる。「待った」をすることも可能。「待った」をした場合、人間対人間の対局では1手、人間対コンピュータの対局では2手戻される。さらに、対局の中断や再開、投了も可能だ。
対局は「人間対人間」「人間対『Bonanza』」「『Bonanza』対『Bonanza』」の組み合わせで行える。もちろんそれぞれの先手、後手を選択することも可能。手合割は「平手」「香落ち」「角落ち」「飛車落ち」「飛香落ち」「二枚落ち」「四枚落ち」「六枚落ち」から選択できる。
時間設定は先手と後手、個別に行うことが可能。「無制限」または「詳細」で指定できる。対局者が「Bonanza」で「無制限」を指定した場合は、コンピュータのレベルを「初級」「中級」「上級」の3段階から選択することが可能。「詳細」を指定した場合は、レベルの設定はできないが、代わりに「持ち時間(分単位)」「秒読み(0秒〜60秒)」「考慮時間(0回〜10回)」を設定できるようになる。
美しいグラフィックや盤の回転機能、サウンドなどで快適に対局できる
対局で使用する駒や背景のデザインを変更することも可能。駒のデザインは「一字」か「銘駒」かを選択でき、書体も指定できる。サウンドには「駒音」のほか、「対局時読み上げ」「秒読み」などの項目が用意されている。さらに、「駒が動ける場所を示す」「段筋を表示する」「王手を告げる」「序盤データベースを使う」などのON/OFFを設定することも可能。自分が後手の場合は、指しやすいように盤を180度回転させることもできる。対局を中断して指定の局面まで戻ったり、コメントを入力したりといったことも可能。「読み筋ウィンドウ」を表示させて、コンピュータの読み筋や評価値を「形勢グラフ」とともに確認することもできる。
ファイルやクリップボードを利用して、棋譜を入出力する機能も用意されている。「柿木形式KIFファイル(*.kif)」「KI2ファイル(*.ki2)」「CSAファイル(*.csa)」の各形式に対応する。
そのほか、対局を中断したり、既存の棋譜ファイルを開いたりした際に、「棋譜再現ツールバー」を使って棋譜を再生することも可能。プレイヤーの指定した速度で、自動的に1手ずつ先に進めたり、前に戻したりしながら指し手を研究できるほか、手動で1手または10手進めたり、前に戻したりもできる。現在の盤面や棋譜を印刷する機能も用意されている。