実在する地域の都市間に鉄道網を構築してゆくボードゲーム。大勢のライバルプレイヤーと競い合いながら、輸送の仕事を請け負って資金を稼ぎ、有利な場所に線路を敷いて、「鉄道王」を目指そう。9名までのプレイヤーが参加できる、鉄道がモチーフのボードゲーム
「Tokyo Railways コンピュータ版」は、フリーのボードゲームをコンピュータ上でプレイできるようにした、鉄道がモチーフのゲーム。プレイヤーは鉄道会社の経営者となり、他のプレイヤーと競い合いながら、鉄道王を目指してマップ上に路線網を建設してゆく。
ゲームはターン制。プレイに参加できるのは2名から9名まで(使用するマップによって異なる。プレイヤーが足りない分は、コンピュータが受け持ってくれる)。ゲームの主な目的は二つ。「マップ上の大都市と大都市を結ぶ路線網の構築」と「貨物の輸送による収益で、目標額を上回る資金を貯めること」だ。
同梱されているマップは「関東」「関西」「北海道」「北海道(非史実シナリオ)」「北陸」「東海」「東北」の7種類(マップによっては、一部特別ルールが適用されることもある)。いずれのマップもゲーム開始時には、鉄道は敷設されていない。プレイヤーは、マウスを使ってマップ上に自由に線路を敷き、列車を走らせることができる。作者のホームページには追加マップが用意され、ダウンロードしてプレイすることも可能だ。
ゲームを開始するには、まず使用するマップを選び、参加プレイヤー数(コンピュータも含める)と難易度を決める必要がある。選択できる難易度は「簡単(借金0)」「普通(借金55)」「困難(借金110)」「至難(借金220)」の4段階。難易度はプレイヤーごとに変更でき、初期設定ではコンピュータが「簡単」、人間は「普通」となっている。
移動フェイズで列車を移動させて資金を稼ぎ、建設フェイズで線路を建設しよう
ターンは「移動」と「建設」の二つのフェイズ(操作)からなる。各プレイヤーはそれぞれひとつずつ「列車駒」を持ち、「移動フェイズ」では駒を「移動力」の分だけ、線路に沿って移動させることができる。「建設フェイズ」では、マップ上に自分の色の線路を敷設できるようになっている。
「移動力」は、列車の速度によって決定される。ゲーム開始時点では全プレイヤーが速度27の列車を使用するが、ゲーム中に条件を満たすことで、より速度の速い列車にアップグレードできるようになる。速度の速い列車を使うほどゲームを有利に進めることが可能で、なるべく早く条件を達成できるようにプレイを工夫するとよい。
マップは細かくマスに区切られ(線は表示されず、代わりにピンを刺すための穴が各マスにひとつずつ表示されている)、隣(上下左右)のマスに移動すると移動力を2、斜めのマスに移動させると移動力を3消費する。
マップ上の都市には時折「仕事駒」が発生する。仕事駒を列車駒に積み込んで移動し、目的の都市で下ろして報酬を得ることも移動フェイズの重要な作業で、線路を建設するための資金は、すべてこの報酬(と負債)でまかなわれる。仕事駒は使用している列車駒の積載量の数だけ積み込める(列車をアップグレードすることで、積載量も増やすことが可能)。ゲーム開始直後のターンの移動フェイズでは、列車駒をマップ上の好きな位置に置くことができ、仕事駒を載せることもできるが、線路がないため、移動することはできない。
線路を敷く際は距離だけでなく、地形を考慮に入れたルート選択が重要
移動フェイズが終了すると建設フェイズとなる。建設フェイズでは、マップ上に自由に線路を敷くことができる。ただし、すでに他のプレイヤーが敷設済みの線路を上書きすることはできない(交差して、その上を通過する線路を敷くことはできる)。さらに、線路は超大都市または大都市に含まれているマスか、自分の線路に繋がっているマスからしか敷けない。ゲーム開始直後のターンで列車駒を置く際は、この点に注意が必要だ。
線路を敷くには資金も必要。1ターンで使用できる資金は50まで。線路を隣のマスまで敷くのに必要な資金は、地形によって大きく変化する(斜めのマスに敷く場合は、さらに資金が必要)。そのため、都市間を最短距離で結ぶことを考えるだけでなく、なるべく条件のよい平地の上に線路を通すようにルート選択することが、資金繰りの上では重要。負債があると、列車をアップグレードすることはできない。資金の使いすぎにも注意が必要となる。
こうして各プレイヤーが移動フェイズと建設フェイズを繰り返すことで、ゲームが進行する。ゲーム中、時折「イベント」も発生する。例えば「大震災」が発生すると、「すべての列車は積み込んでいる仕事駒のうちひとつを除去」しなくてはいけなくなったり、「ストライキ」の発生中は「手番のプレイヤーは自分の路線上を移動できない」という条件がついたりなど、さまざまなイベントが用意されている。