うさ耳双子姉妹のスチャラカ遭難物語。短時間でサクサク進めることができ、やり込み要素も充実している。のんき者の第一王女とメイド長を自称する第二王女のちょっぴりマヌケな冒険
「フェイレンワールドアナザー2nd」は、木下英一さんの制作するRPG「フェイレンワールド」シリーズの第5弾。「フェイレンワールド3」に登場したウサ耳姉妹が主人公となって活躍する。物語は独立しており、シリーズ本編をプレイしていなくても楽しめる。
雪に覆われた亜獣人国家「スラウト」には、第一王女「ティルエス・ヒューレン・レイトーユ」と第二王女「スウィン・ヒューレン・レイトーユ」の二人の王女がいた。スウィンは、ティルエスとまったく同じ身体特徴を持つように作られた魔法生物――ティルエスのコピー――だったが、スラウトの妃(ティルエスの母)による強引な法改正のおかげで、第二王女にされてしまう。普段から「妹がほしい」と言っていたティルエスは喜ぶが、プリンセスガード兼メイド長を自称するスウィン本人は、複雑な気分だった。
ある日、ティルエスとスウィンは長期休暇を楽しむため、自然の豊かな「クォエル島」を訪れる。順調に旅程をこなした二人は休暇の最終日、さまざまな思い出を胸にスラウトへ帰るための準備をしていた。しかし、最後にホテルの前の浜辺を見ようと外出したのが運のツキ。極度の方向音痴という欠点を持つ二人は、樹海に迷い込んでしまう。なんとしてでも国へ帰らなければならないティルエスとスウィンは、島を探索したり、モンスターと戦ったりしながら、護衛兵士たちを探しはじめる。
キャラの育成では、長所を伸ばすことが得策?
ステージクリア型RPGの「フェイレンワールドアナザー2nd」では、モンスターを倒したり、アイテムを拾ったりしながらマップを進み、最後にボスを倒せば次のエリアに進むことができる。1エリアに必ず1回はボス戦があり、バトルに入る直前でセーブできるようになっている。アイテム屋も用意され、回復薬などを十分に補充した上でボスとの戦いに挑める。一度クリアしたエリアには何度でも入ることが可能で、レベル上げや経験値稼ぎに利用できる。
戦闘はランダムエンカウント方式。サイドビューのターン制リアルタイムバトルが展開される、オリジナルのシステムが採用されている。戦闘中のコマンドは「攻撃」「特殊」「道具」「防御」「撤収」「状態」の6種類。「攻撃」は物理攻撃。「特殊」は、特殊能力値(PP)を使用する魔法などのスキル攻撃だ。敵に勝利すると経験値を獲得でき、100ポイントたまるとレベルアップする。レベルアップの際にはボーナスポイントが与えられ、「HP(体力)」「PP(特殊能力値)」「OP(攻撃力)」「DP(防御力)」「AG(敏捷性)」「MN(魔力)」の各パラメータに割り振ることができる(筆者は、魔法攻撃に長けているティルエスはPP/MNを上げ、物理攻撃が得意なスウィンはHP/OPを中心に上げていった)。
攻撃の順番は戦闘画面の上部に表示され、AGの高いキャラクタにはターンが多く回ってくる。ただし、状態異常の「スタン」にかかると、少しの間ターンが回ってこなくなる。また、通常攻撃を行うとPPが回復する。通常ヒットで1ポイント、クリティカルで2ポイント、空振り(ミス)で3ポイント回復する。HP/PPの回復方法にはそのほかにも「最初のエリア以外の水を飲む」「回復アイテムや回復魔法を使用する」などがある。「エリアクリア時や最初のエリアの水を飲んだとき」「街で宿屋に泊まったとき」にはHP/PPともに全回復する。