耳コピーの支援機能を持つ音声スペクトルアナライザ。楽曲を解析し、ピアノロール風の画像を表示する。「WaveTone」は、音声ファイルを読み込み、含まれる周波数成分を解析して画像に変換する音声解析ソフト。時間経過にともなう音程の変化を目視確認することが可能な「ピアノロール」風の画像を得ることができ、既存の楽曲から楽譜を作成する「耳コピー」を行う際に役立つ。対応する音声形式はWAV/MP3。プラグインを追加することで、WMA/MP4/FLV/Ogg Vorbisなどの形式のファイルも読み込めるようになる。
解析を行うには、
- 1秒を何ブロックに分割するか
- 半音を何ブロックに分割するか
- 解析する音階の範囲
- サンプル数(音階の精度)
- 解析精度
などを設定する。設定後、すぐに解析が開始され、結果は、グラフィックイコライザを縦にしたようなビットマップパターンのグラフで表示される。グラフでは、ピアノの鍵盤を模した縦軸は周波数、横軸は時間の経過を示す。グラフ上のドットの色は音量の違いを表し、音量が低い部分は黒、音量が上がるにつれて、青、水色、緑、黄色、赤という具合に色調が変化する。音量が高い部分を主旋律と考えるなら、画面上で赤になっている部分を繋ぐことで、主旋律がピアノロールとして描画されることになる。
解析対象のテンポや音域の広さに合わせて、グラフの横軸/縦軸の倍率を変更することも可能。ビットマップパターンの感度やコントラストを調整することもできる。ビットマップパターンは、オクターブごとや拍子ごと(設定が必要)にグリッドを表示させることが可能だ。
再生時には、現在の再生位置がビットマップパターン上にラインカーソルで表示され、実際に耳から聴こえる音とビットマップパターンとを比較して、楽曲の特徴を把握できるようになっている。音量や再生速度、音程のレベル調整を行うことも可能。再生の進行に合わせた自動ページ送り機能も備えている。
解析結果からレベルの高い部分を抜き出し、MIDIファイル化(採譜)することも可能。作成されたMIDIファイルを再度「WaveTone」に読み込み、元ファイルと重ねて再生することで「どの程度正確に採譜されたか」を確認できる。元の音声ファイルとMIDI化された音声ファイルの再生ボリュームは自由に調整できる。ソフトウェアMIDIの特性からくる発音遅れに合わせ、元の曲とMIDI再生との間にディレイを設定することも可能だ。
さらに、楽曲全体の情報を解析することで、曲のテンポ解析やキー解析、コード検出を行うこともできる。全体を通して一定のテンポ、一定のキーが使われている場合は、かなり正確に検出することが可能だ。