デジカメで撮影した人物写真やキャラクタのイラストを取り込み、まるでしゃべっているかのようなアニメーションを作成できるソフト。「CrazyTalk 5 PRO」は、写真やイラストから取り込んだ人間や動物、ロボットなどの“モデル”を利用して、おしゃべりするアニメーションを作成できる画像加工ソフト。モデルとなる女性や子ども、動物、ロボットなどのサンプルのほか、笑いや悲しみなど、表情を変化させる「エモーション」テンプレートも豊富に用意されている。任意のエモーションをタイムラインに沿って並べて音声を加えるだけで、表情豊かなアニメーションを作成できる。
画像の取り込みからアニメーション作成までの流れは、
- モデルとなる画像データを読み込む
- 画像から顔の部分を切り出す
- 目と口の位置を指定する
- モデルに近い輪郭をプリセットから選択する
- 眼と口の範囲を微調整して、より自然な表情にする
- 音声データを取り込んで合成する
というもの。これだけの操作で、キャラクタのしゃべり出すアニメーションを作成できる。読み込める画像はJPEG/BMP/TGA/PNGの各形式、音声はWAV/MP3形式に対応する。画像に表情を与える「エモーション」テンプレートには、喜怒哀楽といった基本的な表情のほか、「煮え切らない」「悪意に満ちた顔」といったユニークなものまで用意されている。スクリプト作成機能を使って、顔のパーツ(目、まぶた、鼻、唇など)をマウスで動かし、独自の表情を作ることも可能。「エモーションライブラリ」と「モーションクリップ」を利用すれば、細かな表情の設定も簡単に行える。
「エモーションライブラリ」は、同じ感情をひとつのアニメーション(プロジェクト)全体に適用できるもの。ライブラリには「うんざりする」「恐怖」「無関心」など、多数の感情が登録されている。「モーションクリップ」では、感情を部分的に適用することができる。「企み」「神経質」「笑いをこらえる」といった複雑な表情が用意され、表情の変化する速度はタイムライン上で調整できるようになっている。短い周期のモーションを順につないでゆくことで、感情の起伏を自在に表現することが可能。編集したクリップは保存しておくことができる。
表情の動きをライブ感覚で操ってアニメーションを作成できる「パペットアニメーション」機能もある。「意地悪」「風変わり」などの基本的な感情表現(パペットプロファイル)を選び、リアルタイムにキャラクタを動かしながら、表情の動きをレコーディングすることが可能。プロファイルごとに感情を表現するのに適した筋肉が選択されるが、独自に指定して微妙な表情の変化を再現することもできる。作成した表情の動きはカスタムプロファイルとして登録しておける。
音声はWAV/MP3形式に対応する。マイクから音声を録音して利用することも可能。音声データを調整する機能には、
- 口の形や開き具合を調整できる「リップシンキング」
- 音声にロボット、魔神、高い声、低い声などのエフェクトを加えられる「ボイスモーフィング」
- 音声の背景に音楽を加えられる「BGM追加」
などがある。「リップシンキング」では、発音(文字)ごとに唇の位置を微調整することが可能。Windows XP以降で標準のText-To-Speech機能を利用して、テキスト文を読み上げることもできる。モデルの目、歯、口、唇の各パーツを変更することも可能。写真/イラスト用のパーツサンプルが用意され、サイズやカラーレベル(明度/コントラスト/色相/彩度)、向きを調整しながら配置できる。パーツによっては、口中のカラーレベルや口を閉じた状態での唇の位置といった細かい調整を行うことも可能だ。
作成したアニメーションは、AVI/MP4/RM/WMV/FLV形式の動画ファイルとして出力できる。