「リッチテキストPDF5」は、多彩な機能を備えたPDF変換ソフト「リッチテキストPDF」シリーズの新バージョン。PDFファイルをMicrosoft Office、一太郎およびプレーンテキスト各形式のファイルに変換できるほか、印刷機能を持つアプリケーションからPDFを作成することもできる。最上位の「プロフェッショナル」のほか、一部機能が割愛された「スタンダード」「ライト」もある。新バージョン「5」では新たに、

• PDFからPowerPoint 97～2003への変換
• 画像ファイルからWord、一太郎、テキストへの変換（プロフェッショナルのみ）

「リッチテキストPDF5 プロフェッショナル」の特徴のひとつが、BMP/JPEG/TIFFなどの画像ファイルから文字や画像を抽出できるOCR機能を搭載していること。イメージスキャナなどで読み取った画像から自動的に文字を抽出・認識して、Word/一太郎/テキスト各形式のファイルに変換できる。印刷物から作成されたPDFのように、内部がすべて画像で、テキストが埋め込まれていなくても変換することが可能だ。

さらに「プロフェッショナル」では、Word/Excel/PowerPointから直接、PDFファイルを開いて編集することも可能。ツールバーにPDF作成用のボタンが追加され、ワンタッチでPDFファイルを取り込める。

PDFファイルからOffice文書ファイルへの変換精度は、従来バージョンに比べて改善された。文字のフォント/色/文字サイズやレイアウトなどは、取り込み先アプリケーションで可能な限り、元のデザインを保持するように変換される。文字と画像の混在するPDFであっても、元のレイアウトに近い形で変換される。

PDFの加工機能もある。（文字や画像の直接編集はできないが）ひとつのPDFを複数のPDFファイルに分割したり、逆に複数のPDFをまとめて1本のPDFに変換したりといったことができる。PDF内に含まれる画像を抜き出して画像ファイルにしたり、テキストだけを抜き出したりといったことも可能だ。

このように、広く使われるPDFだが、弱点もある。その最大の弱点は、PDFは主に「文書配布用」のフォーマットであり、非常に編集しづらい点だ。編集しづらいというのは、誰かに勝手に変更されづらいという点ではメリットといえないこともないのだが、例えば何かの申込書などがPDFで提供されている場合、パソコンで内容を入力したい、などと思ってしまうのも事実だ。

もちろん、世の中にはPDFを“直接”編集できるソフトもある。本家であるAdobeの発売する「Acrobat」などをはじめ、サードパーティ製のソフトなどもいくつか存在する。しかし、それらのソフトでも、やはりPDFファイルならではの制限があるのは否めない。

「リッチテキストPDF5 プロフェッショナル」は、そうした直接編集型とはまったく異なるアプローチをとるソフトだ。PDFのイメージをできるだけ崩さない形で、編集を得意とするWord形式に変換する。いったん変換さえしてしまえば、あとは自由自在な編集が可能となる。

もちろん最終的にPDFに「戻す」こともできるわけで、結果としてPDFを直接編集するよりも、はるかに自由度の高い編集が可能になる。変換精度もなかなか高く、頻繁にPDFを使う人には便利だ。

また最近、Windows 64bit環境でもPDF作成を行いたいとのご要望が多くなってきており、これにお応えするために当社開発の「Antenna House PDF Driver V4.0 Professional」を同梱しました（「ライト」を除く）。これにより、Windows Vistaの64bit環境でも製品の利用を可能といたしました。

開発中に苦労した点
PDFをOffice文書に逆変換するには、変換精度もさることながら、変換結果がアプリケーション上で編集しやすいものであることが重要だと考えております。今回、PowerPoint変換エンジンの開発にあたりましても、単にレイアウトを再現するだけでなく、変換結果が編集しやすくなるように、できるだけ段落単位でテキストを変換するように配慮しました。同様にWord/Excelへの変換に関しても、今回さらに改善を行い、「使える変換」であることを評価していただけるよう心がけて開発いたしました。

ユーザにお勧めする使い方
PDFからの変換にあたっては、出荷時の設定でも高精度な変換が可能となるようにしておりますが、PDFによっては図や表が変換先でうまく再現できない場合があります。このようなときには、変換前にPDFを表示しながら図や表の変換範囲を指定する「変換詳細設定」機能が便利です。事前に任意の範囲を指定して変換を行うことで、指定個所を画像や表として変換することができます（「ライト」を除く）。

また、「プロフェッショナル」には、変換機能をWord/Excel/PowerPoint上にボタンとして追加するアドイン機能が搭載されています。このボタンをクリックすれば、Office上で直接PDFを開いて変換し、そのまま編集を行うことができる便利な機能です。ぜひ、お試しください。

今後のバージョンアップ予定
当社ではユーザさまの声を反映しながら製品の改善を継続し、改訂版を随時、当社Webサイトからのダウンロードでご提供いたします。また今後、さらなるバージョンアップも予定しております。これらの情報は、ユーザさまに随時ご案内を差し上げますので、ぜひユーザ登録を行ってご活用いただけますよう、お勧めいたします。