「iPod」のほとんどの機能をエクスプローラと同様の感覚で管理できるソフト。「I氏のつぼ」は、軽快に動作する「iPod」管理ソフト。「iPod」からの書き出しも可能で、iPod内のデータをバックアップすることができる。Windows 2000以降のOSで動作するほか、Windows 9x/Meで使うことも可能。2008年9月に発表された第4世代の「iPod nano」にも対応し、「古いパソコンを音楽再生・管理専用機として新しい『iPod』と組み合わせる」といったことができる。
Appleの携帯音楽プレイヤー「iPod」は、「iTunes」で音楽ライブラリを管理するが、Mac由来のアプリケーションであることや、タグを中心とした独特の管理方法のため、その他の音楽プレイヤーを使ってきた人や、「フォルダ単位で曲を明示的に管理したい」という人には使い勝手が悪く感じられることがある。また、「iTunes」がWindows 9x/Meでは利用できないことに加え、Ver.7.4以降でWindows 2000への対応が打ち切られたため、Windows 9x系列で「iPod」を使ったり、Windows 2000で第3/第4世代の「iPod nano」「iPod Classic」以降の「iPod」を使ったりするには、「iTunes」以外の選択肢が必要になる。
「I氏のつぼ」は、「iPod」を管理するための“もうひとつの選択肢”とも呼べるソフト。メイン画面は、Windowsユーザにはなじみ深いエクスプローラライクなデザインで、「どの楽曲がどのフォルダにあるのか」といったことがひと目でわかるようになっている。左ペインのツリービューのルートには接続中の「iPod」が表示され、その下に「プレイリスト」「アルバム」「ジャンル」「アーティスト」「作曲者」が並ぶ。ツリービュー内のファイルの詳細は、右ペインのリストビューに表示される仕組み。複数台の「iPod」が接続されている場合は、ルートの「iPod」をユーザが選択できる。「iPod」への曲の追加は、曲単位またはフォルダ単位で指定する。追加された曲の情報はリストビューに表示され、画面右側のアイコンで基本的な操作を行えるようになる。
プレイリストの作成やプロパティの変更、曲のレーティング(格付け)などの機能も、「iTunes」同様に備える。特にタグの編集機能は秀逸。ファイル/フォルダ構造をもとにタグ情報を取得でき、タグ情報が入っていなかった楽曲にも簡単にタグを追加できる。イコライザの設定も、ビジュアルなイコライザの画面で確認しながら、バランスを調整することが可能。登録・設定したプレイリストや曲は、「iPod更新」を実行すれば、一括して「iPod」に転送される。
曲の書き出しは、「iTunes」にはない機能。「iTunes」では、「iTunes」から「iPod」へは曲の転送を行えるが(購入した楽曲は、バックアップのために「iPod」から「iTunes」へ転送することも可能)、「I氏のつぼ」を使えば「iPod」内のすべての楽曲を書き出して、バックアップすることが可能だ。