ソフトを開発しようと思った動機、背景
計算を行って結果を得るだけでなく、人が操作してシミュレート可能な世界を、コンピュータの中に造ることを目的として開発をはじめました。最初に開発していた「ビジュアル・シミュレータ」は、決められた時間ごとに繰り返し計算を行うシミュレーションツールでした。そのシミュレーションエンジンは、軽量で小さいモデルであれば快適な速度で動作していたのですが、部品の数が多くなると、速度が遅くなってしまいました。これは、動いてない部分や結果が変化していない不要な動作に関しても、毎回計算を行っていたことが主な原因でした。この点を改善するために、一定時間ごとに計算を行うのでなく、イベント発生や変数値の変化などの必要な場合にのみ計算を行うよう、エンジン部分を大幅に変更しました。そのソフトが「Visual LAB」です。「Visual LAB」では時間ごとのアニメーションも行いますが、基本的な部分はイベント駆動で動作する形になっています。さらに、シミュレーションを身近に楽しく活用できるようにするために、グラフィックエディタ機能やサウンド機能等を追加したり、強化したりしました。
開発に苦労した点
シミュレーションをビジュアルに、どのように表現して操作するかに苦労しました。部品の移動・拡大・回転は、何度も試して使いやすい操作方法を考えました。部品のページが小数点の場合に前後のページから補間したアニメーションを行うこと、子部品をドラッグして親部品のページを変化させることによって状態を滑らかに変化させる方法、ページ番号に状態としての意味を持たせ、サウンド再生を切り替える等のシミュレーションを行うための新しい概念がたくさん入っています。
ユーザにお勧めする使い方
ページに部品を配置することで、シミュレーションや動画コンテンツを作成できます。動画ファイルとして保存した場合には以後の編集はできなくなりますが、部品ファイルやJPEG部品で保存することで、移動・拡大・回転等が行える形での保存が可能です。保存したファイルは、「白板ソフト」でも使用できます。パソコン画面の録画機能を使い、操作を録画して再生することができます。録画したページにサウンド部品を追加することでナレーションを追加したり、ページ時間を編集することで一部の動きを遅くしてナレーションに合わせたり、テキスト部品を追加して説明を追加したりすること等が可能です。パレットを使って、設定を変えたペンや部品でのグラッフィク編集を行うことができます。パレットには、ファイルやフォルダをドラッグ、別のパレットから画像バケツを使って切り取った画像等を簡単に追加できます。
今後のバージョンアップ予定
一時、体を壊してしまったこともあってバージョンアップができなかったのですが、今後は「白板ソフトと」連携した形でバージョンアップしていきたいと考えています。シミュレーションを電卓の計算と同じ手軽さで、身近に使える道具にすることを目標としています。
((株)マイクロブレイン)