洗練されたインタフェースが印象的なテキストエディタ。ワープロ並みの強力なページレイアウト機能などを備え、ビジネス書類から欧文文書などまで、さまざま文書の作成に対応する。「iText Express」は、多彩な編集機能と高い操作性を両立させたテキストエディタ。縦書き表示やキャンパスノート風の表示なども可能なフレキシブルな画面表示、ツールバー、脚注・文末注の設定・編集、正規表現に対応した検索(要「OgreKit」)など、多数の便利かつ強力な機能を備える。RTF/RTFD/TEXT/DOC/HTMLなど、幅広い形式のファイルの読み込み/書き出しに対応し、特にMac OS Xに付属する「テキストエディット」の標準形式「リッチテキスト」や、Wordで用いられる「DOC」の文書をそのまま編集・保存できることが特徴だ。
編集機能は「テキストエディット」の機能を網羅している。「リッチテキスト」「標準テキスト」の二つの編集モードを持ち、「テキストエディット」同様に、両編集モードを簡単に切り替えて利用できる。「リッチテキスト」では、1文字単位で文字設定(フォント/サイズ/スタイル/カラー)を行うことが可能。「テキストエディット」とよく似たデザインのルーラが表示され、段落単位でのインデントや文書揃え、行間などを設定できる。文書の保存形式はRTF(画像なし)またはRTFD(画像を含む)。「標準テキスト」では、文字やルーラ、段落などの設定機能は省略される(保存形式はTXT)。編集機能としてはそのほかにも、
- 正規表現による検索(要「OgreKit」)
- 文字数(総文字/半角/全角)やグラフィックの数のカウント
- マークジャンプ(任意の位置にマークを設定し、マークリストから選択してジャンプできる)
- マルチアンドゥ
などを搭載する。編集画面をカスタマイズすることも可能だ。背景色や基本文字フォント(標準テキスト/リッチテキスト)を指定できるほか、制御コードやツールバー、ルーラの表示/非表示も指定できる。画面の背景に罫線やマス目、色を入れられる「ガイドライン」機能があり、線幅や行の高さ、マス目の大きさ、線や背景の色を指定して、用途に合わせた「用紙」で文書編集を行うことが可能だ。
ページレイアウトや脚注・文末注の設定・編集、ハイパーリンクの設定、静止画や動画の貼り付け、表・リスト(箇条書き)の作成など、文書表現を豊かにする機能も充実している。さらに「縦書き文書編集」「文書の逆方向設定」にも対応し、日本語(縦書き)の原稿や手紙、アラビア語やヘブライ語など“右から左に書く”言語の文書も作成できる。Unicodeベースによるマルチランゲージに対応し、複数言語を混在させることも可能。各言語のスペルチェック機能も利用できる。そのほかにもプロパティ機能があり、文書のタイトルや作者名/会社名、コメントを登録しておける。
配布アーカイブには“作家のための作業環境”をコンセプトに開発された姉妹ソフト「iText Pro '08」が含まれる。「iText Express」に対して、新規書類のテンプレート、ルビ(ふりがな)、行番号表示、ツールバーとメニューのカスタマイズ機能などが追加されている。