一見しただけでは、機能を絞り込んだシンプルなリネームソフトのようにも見えるが、実際には「大量のファイルを効率よく抽出・選択できるようにしたファイル管理ソフトの一種」といった印象だ。ご存知のようにWindows標準のファイル管理ツールであるエクスプローラは、ファイルを選択するとき、GUIのセオリー通り「目で見たものをクリックする」というスタイルなので直感的に操作できるが、一方で複数のファイルを選択するような場合の操作性はいまひとつだ。特に、目的のファイルがいろいろなフォルダに分散していると、あちこち移動するだけで手間がかかり、マウスを操作する手がすぐに疲れてしまう。
しかし、「File Name Manager」を使えば、特定の文字列を含むファイルだけを、サブフォルダ内のものも含めて抽出し、まとめて削除するといった操作を簡単に行える(実際にこの操作を行うと、ごみ箱には入らずに直接削除されるようだ)。そのほかにも、ファイル名やパスをコピーしたり、表示されたファイルの一覧をテキスト形式で保存できたりなど、エクスプローラには欠けている機能をうまく補っている。
ファイル名の一括置換も、一般的なリネームソフトに比べればシンプルに見えるが、エクスプローラでのファイル名の変更をもっと効率よく行えるようにしたものと考えれば、その手軽さに納得できるはずだ。
バージョンはまだ0.95ということで、今後どのように成長するか楽しみだ。筆者の個人的な願望としては、リスト上での選択の反転やリストからの消去機能などが追加されると、その便利さがより明確になってよいのではないかと思う。
(福住 護)