簡単な設定で利用できるリモートアクセスソフト。インストール不要(アーカイブを展開するだけ)ですぐに使うことができる。「IgRemote」は、ネットワーク接続されたサーバマシンの画面をクライアントのウィンドウ内に表示し、キーボード/マウスで遠隔操作を行えるリモートアクセスソフト。サーバ側の画面は拡大・縮小して表示させることが可能。ゲームや動画再生にも対応できるほどの“超”高速な描画が特徴だ。
起動すると、「クライアントモード」で動作させるか「サーバモード」で動作させるかを選択するためのダイアログが表示される。「サーバモード」では、待機するポート番号や遠隔操作の有効/無効を設定できるほか、接続するためのパスワードも設定できる。遠隔操作を「無効」にして起動した場合は、クライアント側からは画面を参照できるが、操作することができない。遠隔操作の有効/無効の設定は、タスクトレイメニューからいつでも変更できる。
「サービス起動」を設定することも可能。「登録」に設定にすると、「IgRemote」がWindowsの「サービス」として登録される。ユーザがログオンしていない状態でも外部からの接続を受け入れることができるようになり、クライアント側から接続してWindowsにログオンしたり、いったんログオフして再度ログオンし直したりといった操作を行えるようになる。
「クライアントモード」で起動した場合は、接続先サーバのIPアドレスやポート番号を入力するための画面が表示される。サーバ側でパスワードを指定している場合は、クライアント側で同じパスワードを入力する必要がある。遠隔操作の有効/無効では、サーバ側と同様、画面表示のみか操作まで行えるかを指定する。さらに「音声転送」を有効にすると、サーバ側で再生された音声(PCM)がネットワーク経由でクライアント側に転送される仕組み。サーバ側のサウンドをクライアント側で聞くことができる。
転送される画像の品質は「通信設定」と「描画設定」で決定される。「通信設定」は、転送される画面サイズをあらかじめ縮小しておくもので、「画質優先」では1:1の等倍設定、「通常」では1/4倍、「速度優先」では1/8倍に縮小されて転送される。「描画設定」は、GDI+の画像圧縮機能を使用してデータ量を減らすもので、同じく「画質優先」「通常」「速度優先」から選択できる(コマンドラインオプションにより、0〜100の範囲で画質設定を行うことも可能)。さらに「ブーストモード」と呼ばれる設定を有効にすれば、GDI+による画像圧縮を使用しないようにすることも可能だ。
「通信設定」「描画設定」ともに初期状態の設定では、圧縮のためと思われる画質劣化がかなり目立つようになるが、操作は十分に可能なレベルで、画面の更新速度は30fps程度と極めて高速だ(圧縮画質は「IgRemote」の設定だけでなく、DirectXのやグラフィックスドライバの設定などにも影響されるので、いくつかの設定を試してみるとよい)。逆に「画質優先」かつ「ブーストモード」で使えば、更新速度は低下するが、画質劣化なしの画面を得ることができる。
クライアント側の画面表示には、DirectXが使用されるため高速。画面サイズは、サーバ側の画面サイズにかかわらず、自由に拡大・縮小できる。クライアント画面は直接リサイズできるほか、タスクトレイメニューで代表的な8サイズから選択することも可能。縦横比も自由に変更できるが、【Shift】を押しながらリサイズすると、アスペクト比を4:3に固定したままでリサイズできるようになっている。
そのほか、サーバ側とクライアント側でクリップボードの内容を自動的に転送する機能(テキストデータのみ)もある。