ソフトを開発しようと思った動機、背景
Ver.1.xでは、シェアウェアやパッケージソフトの再インストールで必要になるシリアル番号の管理と自動入力を中心に開発していました。ログインIDの管理は、いうなればソフトのユーザ登録に必要な入力のために付加したような機能でした。しかし最近は、オンラインサービスが充実してきて、多くのサービスでパスワードが発行されるようになっています。さらに複数のサービスが認証サービスにもとづく統合認証を行うようなシーンも出てきているため、従来の管理方法でのパスワードの更新や有効期限の管理に限界を感じていました。また、従来のマウス中心の操作方法はわかりやすい反面、操作に慣れてくると逆に煩雑に感じる部分が出てきます。
そこでVer.2.xではログインIDの管理を重点的に強化し、さらにマウスとキーボードの両方で使いやすい操作性を実現すべく、コア部分とユーザインタフェースを全面的に書き換えました。
開発中に苦労した点
特に、キーバインドカスタマイズ部分の実装について、試行錯誤を繰り返しました。さらに、マウスでもキーボードでも同じ操作性を保つため、ポップアップメニューやダイアログウィンドウを多用したことにより、目的のウィンドウにうまく入力できなくなるという問題も発生し、対策にかなりの時間が取られました。
ユーザにお勧めする使い方
従来からもお勧めしていますが、大量のシリアル番号やパスワードを効率よく管理したい人に向いているソフトです。さらに、今回のVer.2.xではオンラインサイトをよく利用する人にも便利なように、ブラウザのURLやウィンドウキャプションによるアイテム自動選択機能や、統合認証サービスに対応したパスワード・有効期限を共有できる参照リンクをサポートしました。これらの新しい機能によって、日常的にオンラインサービスを利用する人にも便利なソフトになっていますので、ぜひ参照リンクと自動選択機能を活用してみてください。
また、試験的にInternet Explorerのコンテキスト(右クリック)メニューから「おまかせ鍵助」の機能を呼び出すメニューも付けてみました。他のブラウザでもメニューカスタマイズができるものであれば、同様のメニューを実現することが可能です。
今後のバージョンアップ予定
Ver.1.xでサポートしていた印刷機能や読み込み制限などが、まだVer.2.xでは実装できていないので、まずは近いうちにそれらの機能を実装する予定です。
また仕様上、どうしても次の四つのパスワードが必要になってしまいました──「データファイル」「個人情報ファイル」「表示ロック」「プライベート属性表示」。これを何とか二つぐらいに絞り込めないか検討したのですが、結局四つがそのまま残ってしまいました。使い勝手がよくないとその機能が使われず、結局セキュリティレベルを引き下げる要因になるので、このあたりを今後改善してゆきたいと考えています。
さらに、現在の暗号方式(DES)も乱数をノイズとして加えるなど、破られにくい工夫を加えていますが、本質的にはAESなどの、より安全な暗号方式の導入も検討中です。
(nTak)