ソフトを開発しようと思った動機、背景
もともと小学生のときに作った「AKI 黒板」というソフトがあって、ずっとバージョンアップを続けていたのですが、2005年にU-20プログラミング・コンテスト(過去の入選作品)に出品したのを機に、たくさんのご意見をいただきました。「AKI 黒板 Nx」は、いただいたご意見をもとに「どんな黒板だったら使ってみたいか?」を考えて作りました。開発中に苦労した点
一見、簡単に見えるところを実装するのに苦労しました。例えば、チョークで線を引いたときに従来はランダムにかすれさせていたのを、y=ax+bの直線式と見なして、かすれの位置を決めるように改善したり、黒板消しで滑らかに消せるように、始点と終点の情報をもとに六角形を生成したりと、かなり面倒な処理を行っています。
一番苦労したのは、どんなユーザインタフェースが一番おもしろくてわかりやすいのかを考え出すことでした。今作では特に三角定規の再現に悩みました。いまのユーザインタフェースはまだパーフェクトだとは思っていませんので、これからも改良してゆくつもりです。
ユーザにお勧めする使い方
まずは実際に使ってみて、おもしろさを実感していただきたいと思います。ユーザの方の描いた作品を見ると、人によって画風が違っていて、見ていて楽しいです。作品を見ると開発の励みになるので、ぜひ描いた画像をサイト等で公開していただきたいと思います。今作では「録画」モードも付いているので、録画したログをサイトにアップロードすると、描き順を共有することもできます。
また、今作は教育分野にも使えるようにと考えているので、ぜひ学校の先生方にも使ってみていただきたいです。児童に遊ばせてみてもおもしろいでしょうし、授業のツールとして使っていただけたらと思います。「使いたいと思う電子黒板」を考えて作っていますので、改善点があったらぜひご連絡ください。
授業で想定している使い方
次のような使い方で「AKI 黒板 Nx」を授業に活用していただければと思い、設計しました。
まずは普通に黒板に描き、授業を進めます。黒板が一杯になってしまったら、右下のボタンを押して、次のページに移動、再び授業を進めます。さっき描いた内容をもう一度出したいと思ったときや、生徒から質問が出た場合は、ページのプレビューでそのページへ一気に飛びましょう。描いた内容は保存するとZIP形式になっているので、すぐにネット上で配布できます。生徒が気軽に授業内容を復習できます。
実際に教育現場で使っていただけましたら、開発のモチベーション維持につながりますので、ぜひご連絡いただきたいと思います。
今後のバージョンアップ予定
マルチメディアの面でもっと発展させていきたいと考えています。実際の授業では図や動画や音声などを使う局面が多々あります。コンテンツをすぐに再生できるような便利なユーザインタフェースを考えていきたいと思っています。また、NintendoのWiiリモコンを使って、低コストで簡単に扱える電子黒板が作れないかどうか考えている最中です。いまはかなり動作が重くなってきているので、ソースコードの手直しもしたいと思っています。
ある程度までバージョンアップが進んだら、「教育用」「お遊び用」「軽量版」「プロジェクタ用」「フル」といった、目的に合わせたバージョンをいくつかリリースしたいと思います。
(秋山 博紀(AKI))