母を助けるため、貴族の令嬢が水の精霊の力を借りて戦うシミュレーションRPG。さまざまな“やり込み要素”も楽しめる。「渚に願いを」は、中世風の世界を舞台にしたファンタジーRPG。主人公の「エリア」は、中流貴族「サザーランド」家の令嬢。何不自由ない生活を送っていたが、軍人の父と兄が戦いで殉職してしまい、病に倒れた母、メイドの「メリル」とともにつましく暮らしていた。
ある日、母親の看病ばかりで家に引きこもるエリアを心配したメイドが、エリアに隣の港町まで母の薬を受け取りに行ってはどうかと提案する。しかし、久しぶりに船に乗って出かけたエリアを待ち受けていたのは海賊による襲撃。兄から習った護身術で一時は海賊を撃退したものの、不意を突かれて海に落ちてしまう。溺れかけたエリアを助けたのは、水の精霊「ソア」だった。
何といっても魅力的なのが、じっくりと人間関係が描かれたストーリー。エリアは、基本的には苦労知らずの貴族の娘だが、父と兄の相次ぐ死や母の病など、さまざまな困難にも立ち向かう強い心を持っている。水の精霊ソアは本来、人間に姿を見せることを禁じられているが、主人公に惹かれて行動をともにする。
旅の途中ではミステリアスな自称“傭兵”の女戦士「リィン」や、寡黙な銃使い「オーウェン」、父の溺愛により少々生意気に育った少女「ウェンディ」など、個性的なキャラクタが仲間に加わる。
戦闘はターン制のシミュレーション形式。自ターンでは味方キャラを選択してマップ上を移動し、移動先で「攻撃」「アイテム」などの行動を選択する。すべてのキャラの行動を選択するか、マップをクリックして「ターン終了」をクリックすると、自ターンが終了する。
移動可能な距離や攻撃方法などは、キャラクタごと異なる。例えば、エリアはレイピアでの攻撃がメインで、その前後左右のマスにいる敵しか攻撃できない。水の魔法を使うソアは、前後左右を除く周囲8マスを攻撃することが可能。さらに、各キャラはMPを消費して発動する魔法や必殺技を持ち、遠くの敵を攻撃したり、技によっては複数の敵を攻撃したりできる。
戦闘スタイルもキャラごとに異なる。エリアは通常攻撃能力は高いが、MPを消費する技は「敵の防御力を下げる」などの補助系の技が多い。その他のキャラも攻撃魔法、回復魔法など、それぞれに得意な技を備えている。
さまざまな“やり込み要素”も用意されている。例えば、青い宝石「旅の記憶」は、特定の場所を訪れたり、イベントをこなしたりすると手に入れられるアイテム。「大陸マップ」の「旅の記憶」メニューから各番号を選択すると、本編では語られなかったサブイベントを見ることができる。
もうひとつのお楽しみが賞金ハンターだ。コアトルの町にある海軍本部で見ることができる「手配書」の悪人を捕まえるミニゲームで、賞金首をコンプリートする楽しみも味わえる。敵が強ければ、高額な賞金が手に入ることもある。