爆発事故の調査と先行部隊の救援に向かった先は、謎の生物が徘徊する地獄だった「Another Bound」は、廃棄された宇宙ステーションを舞台に、襲い来る謎の生物と戦って、生還を目指すFPS（First Person Shooter：一人称視点シューティングゲーム）。ゲームの主人公（プレイヤー）は、コードネーム「ロスト」を名乗るフリーエージェント。物語は、爆発事故を起こした宇宙ステーションにロストが到着したところからはじまる。ロストの任務は事故の調査と、先に派遣されたもののステーション内で音信が途絶えてしまった特殊部隊「ブラボーチーム」の救援。とっくの昔に廃棄されたはずの無人宇宙ステーション内でロストが発見したものは、ブラボーチームのメンバーの死体と凶暴な謎の生物の群れ、そしてブラボーチーム唯一の生き残りと、いるはずのない一人の少女だった……。

ゲームの目的は、ロストとなって無事、地球に帰還すること。謎の生物や巨大なボスキャラを撃破しながら宇宙ステーション内を探索し、脱出カプセルを起動させなければならない。さらに、その後にも困難なミッションが待ち受けている。

操作は、キーボードとマウスを併用して行う。マウスの代わりにペンタブレットを使用することも可能。キーボードはロストを移動させるのに使う。【W】で前進、【S】で後退、【A】で左にステップ、【D】で右にステップする。スペースキーでジャンプすることも可能。銃の発射にはマウスボタンを使用する。左右どちらのボタンをクリックしてもよい。マウスの移動により、視点を上下左右に動かすこともできる。

表示されるさまざまな表示を参考に、前方の様子を探りながら進もうゲームの開始前に、主人公の性別をMALE/FEMALEから、また難易度をEASY/NORMALから選択する。はじめてプレイする人──特にこの手のゲームに慣れていない人──はEASYを選択した方がよい（EASYでもかなりの歯応えはある）。

ゲームを開始すると、HUD（Head-Up Display）を模した画面にさまざまな情報が表示される。現在交戦中の敵のイメージや生命力、現在いるフロアのマップ、主人公が着ているアーマーの耐久力（このゲージが真っ黒になるとゲームオーバー）、敵の居場所を示す索敵レーダー、装備中の兵器といった具合。表示される情報はどれもわかりやすく、はじめてプレイした瞬間から違和感なくすべてを理解できるはず。なかでも重要なのが索敵レーダーとフロアマップ、耐久力ゲージだ。これらの情報を参考にしながら、慎重にステーション内を移動して、敵の先手を取ることが重要となる。

画面には照準も表示される。照準はマウスで視点を移動させることで動かすことができ、敵を捉えるとサイトが拡大して自動的にロックオンしてくれる。ロックオンが必要ない場合は【Shift】キーを押しながらショットを発射することで、手動照準にすることができる。武器は、はじめのうちはノーマルショットしか使用できないが、ゲームが進むにつれて、より強力な武器を使えるようになる。

ステーション内を探索し、隠されたスイッチなどを見つけ出せ「Another Bound」では、何かを調べたりスイッチを押したりする専用の操作は存在しない。多くの場合、主人公が一定以上近づくと自動的に動作するが、特定の装置などをショットで撃つことで動作させることも可能（ショットによって装置が破壊されたりするようなことはないようなので、怪しいと思った場所はとりあえず近づいてみるかショットを撃ってみるのがよいだろう）。

セーブと回復は、ステーション内に存在する「データーセンター」で行える。データーセンター内の緑色に光るチューブの中に入ることで、それまでの行動が自動的に記録され、ダメージも完全に修復される。ただし、データーセンターは限られた場所にしか存在しないため、そこまで生きてたどり着くのは決して容易ではない。

ゲームの要所には、アニメーションやメッセージが表示され、ストーリーが進展する「イベント」シーンも用意されている。「次に何をすべきなのか」を知ることのできる重要なシーンだ。すでに見たことがあり、再度見る必要がない場合は、【Ctrl】キーでスキップすることもできる。

操作性は非常によい。ゲームをはじめる前は、キーボードとマウスを併用するのは面倒に思ったのだが、実際にプレイしてみるとこれが実に使いやすい。マウスを動かすことで視線を自由にすばやく動かすことができる。この操作性がゲームにも生きている。主人公の頭上や足元といった視野の外から襲ってくる敵をすばやく発見して迎撃するのに効果的だ。索敵レーダーで敵の居場所を確認しながら、角を曲がるときや部屋に入るときなどには、左右はもちろん天井まで念入りにすばやくチェックするのが「Another Bound」の基本だ。

ゲームの難易度はかなり高い。筆者はFPSにあまり慣れてないこともあり、EASYモードでプレイしたが、それでも非常に苦労した。ちょっと気を抜くと死角から敵キャラに密着されて、たちまちシールドが減ってしまう。クリアするにはかなりのやり込みが必要だろう。ただし、ゲームそのものが非常におもしろく、繰り返しはまったく苦にならない。謎解き的な要素がいろいろと散りばめられていることも「Another Bound」をおもしろいものにしている。FPS初心者から上級者まで、幅広く楽しむことのできるゲームだ。

開発中に苦労した点
全体的に苦労しましたが、なかでもインタプリタという開発環境において、処理速度の高速化に頭を使いました。部屋を移動するたびに「Now Loading..」だけは避けたかったので、何とかして巨大な宇宙ステーションのモデルデータをまるまるひとつ扱って、物語を展開させたかったのです。

私はFPSをほとんどやったことがないので、開発中、迷走した場面も多かったですが、無事に公開することができてよかったです。3ヵ月という開発期間の中で、モデリングやイベントの作成などにも苦労しました。戦場もののFPSと違い、RPGのような要素のあるゲームになった感がありますね。

ユーザにお勧めする遊び方
初期状態の装備は貧弱ですが、徐々にパワーアップしていきます。一気に進もうとせず、緊張感を味わいながら慎重に進んでください。このゲームは、ただ言われたことだけを淡々とこなすだけではクリアすることができません。受け身の姿勢は捨てて、危険を自ら察知し、謎を解明して、常に探究心を絶やさずに行動してください。

今後のバージョンアップ予定
バグなどは修正しますが、ゲームの機能強化や性能アップをさせる予定はありません。するとすれば、新要素を取り入れたまったくの新作として開発することになると思います。

ソフトの最新情報やトレイラームービーをオフィシャルサイトからご覧いただけます。そちらもぜひお楽しみください。
http://hp.vector.co.jp/authors/VA029904/anotherbound/