「AgainTyper」はソフト名の通り、IMEがOFFの状態で入力してしまったキーを、IMEがONの状態で入力したように修正したり、逆にIMEがONの状態で入力してしまったキーを、半角文字で再入力したりできる入力支援ソフト。タスクトレイに常駐してキー入力を監視・記憶し、過去に入力されたキーを再利用できるようにしてくれる。ユーザは同じ文字列を再度入力することなく、正しい文字列を入力できる。

例えば、「こんにちは」と入力したつもりが、IMEがOFF状態で「konnitiha」となってしまう場合がある。「AgainTyper」を利用すれば、再度同じキーを入力することなく、設定した「Again Key」や履歴一覧から（もと通りの）希望の文字列を入力できるようになる。

キー入力の記憶を呼び出すには、あらかじめ設定した「Again Key」を押す。「Again Key」は、【Ctrl】/【Alt】/【Shift】のいずれかと【変換】などの組み合わせで設定できる。

IMEをローマ字入力モードで利用している場合、IMEがOFFの状態でいくつかキーを入力してから、IMEをONにして「Again Key」を押すと、入力したキーがひらがな/変換対象の状態で入力され、ここから漢字変換も行える。OFFにすれば、逆に全角入力したものを半角で入力できる。

履歴一覧の表示をキー入力でコントロールすることも可能。ダブルプッシュ機能をONにしておけば、「Again Key」が2回すばやく押されたときに、履歴一覧が表示される。「AgainKey」が1回だけ押された場合は、約1秒後に直前に入力したキーが再入力される仕組み。

記憶対象となるのは5文字以上。スペースキーや【BackSpace】キーなどの特殊キーが押された時点までを1フレーズとして記憶する。設定により、スペースキーや【BackSpace】キーを各1文字まで再現できるようにすることも可能

。キー入力の履歴は最大20件までは記憶される。ただし、一度「Again Typer」で再入力されたキーは「Used data」というサブメニューに保存され、ここから選択して利用できるようになる。

IMEの状態に関係なくキー入力を記憶してくれるので、IMEがON/OFFどちらの状態であったとしても対応できる点がよい。また、再入力に用いたキー入力が「Used data」というサブメニューに記憶されるのも便利だと思う。

初期状態ではOFFになっているが、「ダブルプッシュ」機能はONにしておくとよい。この状態では、「あー失敗した」と気づいた直後に「Again Key」を押せば、すぐに直前に入力した文字列が再入力され、履歴一覧から文字列を選択する必要がない。必要に応じて「Again Key」を2回押せば、履歴一覧を表示できる。

履歴機能は、IMEのリカバリー以外に、コピーの必要のないクリップボードとしても利用できる。プログラミングのように、同じ変数名や関数名を入力することが多いときに、履歴表示から選択するだけでペーストできるので、非常に便利だ。

開発中に苦労した点
このソフトはそんなにユーザインタフェースもないので、比較的簡単に作ることができました。Windows Vistaでは一部、不具合が出て、その原因を突き止めるのにちょっと苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
間違えたモードを正しくしての再入力ということ以外に、プログラミングのときに、コピーの必要のないクリップボードとして使うと便利です。履歴機能や単語に分割機能もありますから……。

今後のバージョンアップ予定
いまのところは大きい機能追加の予定はありません。「こんな機能があれば」というアイデアがあれば、ぜひお聞かせください。