「gavinci」は、複数の画像ファイルに対してまとめて加工を行えるソフト。明るさの調整やシャープネスといった機能が独立して提供されるのではなく、「テーマ」を適用することで加工を行う“目的志向”のインタフェースが大きな特徴。BMP/JPEG/無圧縮TIFFのほか、Photoshop（PSD）形式にも対応する。

「テーマ」は、フィルタの組み合わせに名前を付けて登録されたもの。ユーザが新たなテーマを作成したり、既存のテーマをカスタマイズしたりすることもできる。あらかじめ4グループのテーマが登録されている。

• 「フォトリアリスティック」グループ：なごみ/ハイキーホワイティ/ハーフソフト/ボケと階調補正/メタルアップ
• 「フォトエンハンス」グループ：シャイニーブルー/セピア/ノスタルジック/ポラロイドタッチ/赤ポラ/青ポラ
• 「アーティスティック」グループ：artイラスト調/artモザイク調/art筆絵調/art絵画調
• 「ファッション」グループ：アンティーク/モノクロ写真（モダン/印象/古風）/レインボー/彩度ダウン

テーマと並び、「スマートトリム」も特徴のひとつ。プレビュー画面に表示された枠線を見ながらハンドルをドラッグすることで、画像の縦横比や出力サイズ（ピクセル寸法）をまとめて指定できる。さらに、枠線そのものを動かすことでトリミング位置を決めることも可能だ。

テーマの選択やスマートトリムの指定が終わったら、処理を実行する。トリミング、リサイズ、テーマ適用の三つの作業を連続して行ってくれる。テーマの適用前/適用後の画像はワンタッチで切り替えて比較できる。処理実行後に「保存」を実行すると、テーマの適用前後の2枚の画像が保存される（オリジナル画像は上書きされない）。複数の画像に対して同じ処理を連続実行することも可能だ。

「gavinci」は、そんな手間を減らして誰でも簡単に写真を加工できるようにしてくれる。なかでも、トリミングとリサイズをまとめてやってくれる「オートトリム」はとても便利。ふだんは特にレタッチなどしないという人でもリサイズだけは欠かせないだろうから、これはうれしい。

一方でレタッチ機能を重視する人にとっても注目だ。一般のレタッチソフトが概して面倒なのは、「コマンドそのものの使い方がわかりにくい」「どのコマンドをどう組み合わせていけば望み通りの結果が得られるかイメージしにくい（経験が必要）」といった要因が絡み合っているからだ。

ところが「gavinci」では、そうしたプロセスを一気にひっくり返して、テーマを選ぶだけで必要なフィルタ処理をまとめて選んでくれる。しかも、テーマそのものがひとつのエフェクトというわけではなく、複数のフィルタが集まったいわばバッチコマンドなので、パラメータ設定を細かく追い込んでいけば好みの仕上がりを追求することもできるのだ。

このように、blogやWebギャラリーにどんどん投稿したい人に便利な「gavinci」だが、筆者としてはできればあと二つほどほしい機能がある。ひとつは、トリミング時に画像の縦横比を簡単にセットできるようにする機能。ドラッグで簡単に変更はできるのだが、3:2、4:3、4:5、1:1といった写真で一般的な比率が簡単に選べるとありがたい。

もうひとつは、リサイズ後のファイルサイズのプレビュー表示機能だ。blogや画像掲示板では投稿できるサイズを制限しているところも多いと思うので、保存前にサイズをチェックしてピクセルサイズやJPEGの圧縮率を調整できれば、さらに使いやすくなるだろう。

開発中に苦労した点
画像加工ソフトには類しますが、終局目標としては「画像仕上げソフト」として、新しいジャンルのソフトウェアという位置づけをはっきりしたかったので、このジャンルに的確でありつつ、ユーザが本当に必要とするソフトウェアになれるかといった不確かさを調査し、ソフトウェアに必要な機能を取り揃えるといったところに、難しさをあらためて実感しました。

ユーザにお勧めする使い方
簡単な上、1クリックで画像効果を楽しめるソフトなので、ホームページやblogのひとつのコンテンツ作りには最適です。「gavinci」のターゲットユーザとしては、「ネットで画像を取り扱うblogユーザが主体」、ソフトのコンセプトとしては「写真、画像を簡単に加工＆仕上げるソフト」としておりますので、いままでにない画像効果を1タッチで仕上げられる「画像仕上げソフト」として打ち出しております。

また、ユーザが自分でテーマ（効果）の度合いや組み合わせを編集することができます。自分だけのいろいろなテーマを作って、デジカメ写真加工などをより楽しんでいただければと思います。

今後のバージョンアップ予定
「gavinci」を含め、デジカメ写真生活支援シリーズは、お客さまのご意見を取り入れながら成長してゆく製品です。今後はより楽しく、より簡単に、そしてより劇的な仕上がりを見せるソフトウェアとして、機能充実を図るつもりです。

いままでにない操作性を備えた「gavinci」を、みなさまもぜひご試用ください。