画面に表示される文章をキー入力することで、棒人形が螺旋階段を駆け上がってゆくタイピング練習ソフト。洗練されたデザインと、ローマ字における複数表記の自動判定機能が特徴。「TypingTower」は、オシャレなデザインのタイピング練習ソフト。対応する入力形式はローマ字(かな打ちには非対応)。ルールはいたってシンプルで、五つあるステージの中からひとつを選択し、画面下部に現れる文章をキーボードから入力するだけ。キーを1文字入力するごとに、画面中央にいる棒人形が螺旋階段を1段ずつ上がってゆく。
決められた時間内に一定量の文字を入力できれば、人形が階段を上りきってステージクリアとなる。五つのステージはそれぞれ難易度が違なり、ステージ1では100秒間に200字を、ステージ5では170秒間に1,000字を入力すればよい。入力ミスを100回してしまうと、制限時間にかかわらず終了となる。ステージ5になると毎秒5.9文字以上のペースで入力し続けねばならないため、かなり難度は高い。
「TypingTower」の一番の特徴は、ユーザが入力したローマ字の表記を柔軟に判別する点。例えば、「し」という文字を入力するときは、「SI」「SHI」のどちらで入力しても問題なく判定されるようになっている。訓令式だけでなく、ヘボン式や日本式のつづりも自動的に判定してくれる。これにより、ユーザがいちいちオプション画面で表記を設定しなくても、好みの入力方式で練習できるというわけだ。
筆者は「かな打ち派」なので、ローマ字入力の表記対応が柔軟であることのありがたみがピンとこないものの、タイピング学習ソフトでありがちな「オプション設定の煩わしさ」を解消している点は素直に便利だと思う。ローマ字入力が主流の方にとって、これほどありがたい機能はないのではなかろうか。
キー入力をどんどん進めてゆくと「スコア」が加算される。スコアは1文字入力することで30点ずつ増えるほか、「コンボ」や「特定ポイント通過」によっても増えてゆく。逆に、入力をミスするとスコアが下がる。「コンボ」はミスをせずに入力を続けると増えるもので、一定数のコンボがたまるごとにスコアがプラスされる。「特定ポイント通過」は、各ステージに四つあるポイントを通過するときに加算されるもので、残り時間に応じて加算量が変化する仕組み。
ステージの最後まで到達した場合に限り、最終スコアの表示と、(点数が高ければ)ハイスコアの記録が行われる。ステージクリア時点での残り時間や、ミスタイプの回数、コンボ数などによってスコアは大きく変わってくる。ミスをせずにコンボをたくさん繋げば、当然点数は高くなるという寸法だ。獲得スコアに応じたS/A/B/Cの評価もあわせて表示される。
用意された五つのステージをすべてクリアすると、最高難度の「隠しステージ」が現れる。ただでさえ難易度が高いステージ5を超える難しさの「ステージ6」は、相当タッチタイピングの腕がある人でないとクリアできないだろう。ちなみに筆者はステージ5でアップアップ。ステージ6はクリアできていないし、クリアできる気さえしない……。腕に覚えのある方は、ぜひ挑戦してほしい。
なお、現在のバージョンは作者によれば「ベータ版」の扱いだそうだ。今後のバーションアップにより、さまざまな機能が追加されてゆくことを期待したい。
(田中 剛健)