「クリックモード」と「パズルモード」の二つのモードにより、都道府県の位置や名前を学習できるソフト。「百丸ソフト・都道府県名を覚えよう」はその名の通り、日本国内にある47の都道府県の名前と位置を学習するためのソフト。用意されているモードは「クリックモード」と「パズルモード」の二つ。どちらのモードも制限時間は5分で、【Esc】キーを押すことでいつでも中断してメニューに戻れる。
「クリックモード」は、表示された都道府県がどこにあるかを白地図上でクリックするもの。画面に都道府県名が表示されるので、それがどこにあるかを白地図上から選択してゆく。白地図には境界線が描かれており、それを目安に都道府県の位置をクリックすればよい。47の都道府県をすべて解答すれば終了となる。時間の経過は、画面右下のバーで示される。
1問解答するたび、解答した都道府県のところに色が付く。塗られる色は、「1回目の解答で正解」「2〜3回目に正解」「3回目も不正解」といった解答の成果によって異なる。解答を進めれば進めるほど、白地図に色が付いてゆく仕組みだ。ひとつの問題に対して3回誤答すると、矢印で正解の場所が示された上で、次の問題に進む。
オプションとして「都道府県名にふりがなを付ける」「解答済みの場所は色を付けて表示」のON/OFFを切り替えられる(デフォルトでは両方ともON)。色付き表示をOFFにした場合、どの都道府県を解答済みか見分けられなくなるため、難易度が上がる。色が付いていれば、特に後半で色が付いていない場所、つまり解答の選択肢が少なくなり、「当てずっぽう」による解答ができるからだ。
「パズルモード」は、ジグソーパズルさながらに都道府県のパーツを動かして白地図に並べてゆくもの。ピース(都道府県)の形をよく見て、当てはまる場所にピースをドラッグすればよい。置いた場所が正しければ、ピースが吸い付くようにして固定される。ピースを右クリックすると、都道府県名が表示される(オプションで表示しない設定も可能)。
面積の大きなピースは簡単に場所がわかるのだが、小さくなればなるほど「形を詳しく覚えているか」が重要になる。ピースごとに特徴的な要素――なかでも海岸線――を頭にたたき込むとよいだろう。難易度が一気に上がる「都道府県同士の境界線を消す」といったオプションもあり、その場合は特に海岸線の把握が重要になる。
余談だが、以前のレビュー記事でも書いた通り、筆者は地理が得意ではない。正直、四国・九州あたりの県は正確に答えられるか自信がない。作者の方の説明によれば、主なターゲットは「小学生・中学生で日本の都道府県を覚えていない不届き者」とのことだが、その点でいえば、かくいう筆者も“不届き者”といえよう(自慢にもならないが……)。インタフェースが非常に直感的でわかりやすいことから、小中学生はもちろん、それ以外の方にも十分役立つ。
唯一の難点は、デフォルト設定ではウィンドウ枠が消えており、ウィンドウの移動やクローズなどが行えないこと。ウィンドウ枠を表示させるためには、設定ファイルを直接テキストエディタなどで変更しなければならず、やや煩わしい。ただしこれは、逆に考えると「ユーザが小中学生であることを意識」しているからとも考えられる。むやみに終了したり、ウィンドウを移動したりしないように、という作者の配慮なのだろう。
(田中 剛健)