「忘却曲線理論」にもとづく「反復学習システム」を搭載し、忘れている可能性が高い問題をピンポイントで学べる英単語/熟語暗記ソフト。約2万語におよぶ英単語問題集が付属している。英語の発音機能も備えている。「P-Study System」は、英単語・熟語の暗記を支援する学習ソフト。忘却曲線理論をもとにしたカリキュラムで学ぶことができ、復習を重ねることで「記憶に定着する」率を高められる。学習者が忘れていると思われる問題をソフト側で自動的に抽出してくれるため、効率よく学習できる。
「P-Study System」には、「通常学習」と「スマート学習」の二つが用意されている。まずは、通常学習のメニューから「問題集」「学習モード」「出題設定」を選択する。用意されている学習モードは以下のものがあり、正解率や学習日などの情報はモードごとに記録される。
- 4択(通常/R)
- タイピング(通常/R)
- カード
- SpeedReply
- ディクテーション
「4択」「タイピング」がメインといえるモード。解答は制限時間内に行う必要がある(制限時間を設けないオプションもある)。タイピングは英単語を1文字ずつキーボードから打つ解答方式なので、4択よりも難易度は高い。「4択」「タイピング」では、末尾に「R」が付くリバースモード(問題と正解が反転する)もある。Rモードでは、「解答」として登録している言葉が問題として出題されるので、通常時の「問題」の語を解答すればよい。「カード」は、スペースキーを押すたびに問題と正解が入れ替わり、暗記したかどうかは自己申告で行う練習用のモード。「SpeedReply」は、問題と正解がすでに表示された状態で解答するもので、いかに速く入力するかを鍛える。「ディクテーション」は、出題時に問題文を表示せず、「音声再生」を聞き取ってスペルを入力するもの(「音声再生」機能が利用できない環境ではディクテーションを行えない)。
お勧めの学習手順は、カードモードで「サッ」と軽く覚えて(もしくは覚えた気になって)、4択モードでもう一度学習し直し、タイピングモードを繰り返して記憶を盤石にする、という流れだ。カードモードや4択モードで気合いを入れて覚えるよりも、記憶固めはタイピングモードで行う方がよいだろう。自信があるなら、いきなりタイピングモードからはじめるのもアリだ。
問題集のデータは、中学生向け、大学受験向け、英検/工業英検用など多岐にわたる。なかには「中国語」「ドイツ語」「化学」といった問題集もある。問題集のデータをユーザ自身が作成・編集することも可能で、専用のデータ作成ソフト「PssEditor」が同梱されている。
こうして学習を進めてゆき、ある程度問題数をこなしたら「スマート学習」を行うとよい。スマート学習は「忘却曲線理論」を応用した出題方式で、スマート学習用のリストに登録されている単語の中から「忘却度が高いもの(=ユーザが忘れている可能性が高いもの)」を優先的に出題してくれる。リストへの登録は、「通常学習」で一度でも学べば自動的に行われる。ちなみに、未学習の単語であっても手動で登録は行えるのだが、できれば「通常学習」で4択/タイピングのモードを解いておく方がよいだろう。
スマート学習では、それぞれの語がしっかり頭に定着したかどうかをAからFの記憶レベルで表示してくれる。あわせて、時間が経つごとに悪化してゆく「忘却度」という指標も示される。「P-Study System」における忘却理論では、「時間が経過すると忘却度が上がる」「学習するたびに忘却度が改善される」「記憶レベルが高いほど忘却度の悪化スピードが改善される」ということのようだ。
こうした「記憶レベルの推移」や「忘却度のグラフ」を閲覧することも可能だ。しかし、ユーザはあまり“忘れた/忘れていない”ことを意識せず、「P-Study System」に任せっきりで問題ないだろう。それよりも、「何時間」という細かい単位でユーザの記憶状況を管理してくれるので、なるべく毎日1回以上起動してレッスンを受け続けることの方が重要だ。暗記モノの学習は、少しずつノルマを決めてコツコツと進めなければスキルアップしないので、マメさが鍵を握る。
そのほか、単語一覧表示、検索、Web辞書での検索、印刷/印刷プレビューといった機能もある。インターネットランキングに対応しており、「総合ランキング」「月間ランキング」を確認できる。スキンで、解答画面のデザインを変えることも可能だ。
この手の英語学習ソフトとしては、機能の豊富さは随一。学習効率をアップさせる機能がてんこ盛りで、「スマート学習」も効果絶大。毎日少しずつでも語彙を増やしたいという方には間違いなくお勧めできる。問題集を切り替えれば、暗記系の学習(歴史の年号でも、数学・物理の公式でもかまわない)にも存分に活用できそうだ。
(田中 剛健)