入力した数式をそのままの形で計算できるグラフ電卓ソフト。科学技術計算や複素数計算も行える。「iMemo」は、テキストエディタと同じ感覚で扱える“複素関数グラフ電卓”ソフト。メイン画面は左右に分割された2ペイン構成。左ペインは計算式の入力エリアで、テキストエディタと同じように自由に文字/数字を入力できる。右ペインでは、左側に入力された計算式の結果が1行ごとに表示される。テキストエディタと同様にカット&ペースト機能もあり、「iMemo」のエディタ内はもちろん、ほかのテキストエディタとの間で数式、文字、数値などを転送できる。
計算時には、演算子の優先順位や括弧が自動判定されるため、ユーザは通常どおりに数式を入力すればよい。計算式の評価は文字入力ごとに行われ、1文字入力されるごとに計算結果の数値が刻々と変化する。
複数行にわたる計算も可能だ。演算子からはじまる行を記述すれば、直前の行の計算結果との演算として扱われる。例えば「+」からはじまる行であれば、直前の計算結果への加算と解釈される。複雑な計算で括弧の対応付けがわかりづらいような場合には、積極的に複数行に分けて計算するとよい。計算結果は行ごとに表示されるため、演算の途中経過を見ることもできる。もちろん複数行の計算であっても、計算は1文字入力するごとに行われ、計算結果はリアルタイムに更新される。
変数を利用することもできる。一般的なプログラミング言語と同様、計算結果を変数に代入し、その変数を用いて次の計算を行える。許容される変数名の長さは21億文字、使用できる変数の数は1億以上と、事実上無制限に使うことができる。
組み込み定数や組み込み関数もある。定数では自然対数の底(e)、円周率(Pi)、ボルツマン定数(k)、プランク定数(h)、電子の電荷(q)など13種類を利用できる。組み込み関数は、指数・対数関数、三角関数、双曲線などの数学関数をはじめ、電気計算用関数、変換関数、乱数、統計関数など、豊富に揃う。必要に応じて、ユーザ定義関数を作成することも可能だ。
ソフト名からもわかるように、複素数計算も行える。虚数(i)を使用でき、基本的な演算はもちろん、組み込み関数でも、虚数計算が定義されているものは複素数計算が可能だ。
グラフ表示機能もある。グラフは、独立した専用ウィンドウに表示される。y=f(x)形式の関数式によるグラフを、最大10本まで同時に表示できる。計算式は、グラフウィンドウの入力欄に入力する形で、式の中に(メイン画面で定義された)変数を使用できる。グラフを描画する際、y=f(x)のxが1ステップ変化するごとにメイン画面で入力されたすべての行の再計算が行われ、変数が更新されるため、メイン画面で定義した計算式もグラフ化することができる。
x軸/y軸には、リニアだけでなく対数軸も指定できる。計算値の正の値だけをプロットするlog軸と、計算結果が負の値のときは絶対値がプロットされるAlog軸のいずれかを選択して利用することが可能だ。
外部エディタと連携するホットキー機能もある。「iMemo」を起動した状態で外部エディタから指定したホットキーを押すと、外部エディタ上の式を計算し、解答を書き込んでくれる。普段使っているエディタをそのまま利用して、計算だけを「iMemo」に任せることができる。
テキスト画面で入力した「計算式」や、グラフ画面で描画された「グラフ」は、ファイル保存して、あとで読み込むこともできる。複数要素の平均や標準偏差を求める「統計計算」機能も備えている。