「Mobile Mailer」はその名の通り、メールとその利用環境を持ち運ぶことのできるメールソフト。Webメールを扱うことも可能で、POPメールとWebメールを一元管理できる。メールのフォルダ管理、定期受信、自動振り分け、署名の挿入といった基本的な機能に加え、自動転送や同報メールなどの機能も備えている。

大きな特徴が、ソフト名にもなっている「持ち運び可能（モバイル）」な点。レジストリを使用しないため、USBメモリなどに入れて持ち運べる。例えば、自宅と外出先で同じ設定、同じメール送受信環境を構築することが可能だ。設定のほか、受信メール、下書き/未送信メール、宛先リスト、同報メール環境を持ち出せる。

Yahoo！メールやGmailといったWebメールとの連携機能も特徴のひとつ。Webメール操作用のタブブラウザを内蔵し、「Mobile Mailer」上で直接Webブラウザを操作できる。ID/パスワードをボタンに登録しておくことも可能で、ボタンクリックだけですばやくログインできる。「Mobile Mailer」で設定した宛先リストや署名は、Webメールでもそのまま利用できる。

受信メールを指定メールアドレスに自動転送する機能もある。Subjectに転送メールであることを示す文字列を付加したり、Fromを書き換えたりといったことも可能。転送設定は、受信フォルダごとに個別に行える。自動振り分け機能と併用すれば、一定の条件に合致したメールだけを転送するといったことも可能だ。

同報メール機能では、同じ内容のメールを複数のアドレス宛に送信できる。送信用のリストとして、「宛先リスト」「グループリスト」のほか、「受信メールフォルダ」やCSVファイルを利用することも可能だ。

会社と自宅のように、2ヵ所の拠点とメールアドレスを持って仕事をしている人などは、自動転送機能を使えば、一方へのメールをどちらからも受送信できるようになって便利だ。また、Webメールに転送して、Webメールのサーバをメールの保管庫のように使うこともできるようになる。そうした場合にはWebメールとの連携機能が武器になるだろう。

もちろん「持ち運び可能」なのも大きなメリットになることは間違いない。プログラムや設定だけでなく、受信メールや下書き/未送信メールまですべてを持ち運べるので、メールを書きかけのままでも移動できる。その気になれば、ハードディスクには一切データを置かず、USBメモリだけで済ませてしまうこともできるだろう。パソコン上から誰かにメールを読まれてしまうことがなくなるわけだ（もちろんバックアップはしておいた方がよいが）。

「Outlook Express」からの移行も極めて簡単。なかなかおもしろいソフトなので、ぜひとも一度試してみてもらいたい。

• 自宅、単身赴任先、勤務場所で別々のパソコンを使用する必要があった
• そのためにメール環境が複数になり、管理が大変になってしまっていたメールの環境を統合したかった
• 受信したメールはどこでも読みたいし、返信したいと思った
• メール設定、署名、送信履歴、下書きなどのデータも共通化したかった

開発中に苦労した点
電子メール規格（RFC）の理解、メールのデコード、多種多様な受信メールの扱いです。

ユーザにお勧めする使い方
似たような環境にいる人は、USBメモリにこのソフトをコピーしておけばいつでもメールが読めたり、メールチェックできたりして便利です。日ごろ使用しているメインのメーラを変更するのは勇気がいると思います。最初は携帯用のセカンダリ的な使い方がお勧めです。時間が経過して「Mobile Mailer」への信頼感がアップしてきたら、メインのメールソフトに変更すればよいと思います。このソフトをメインメーラにして携帯メーラとしても使用すれば、メール環境の使い勝手が向上します。

今後のバージョンアップ予定
機能追加の要求、改善要求が上がってきていますので、緊急性・有用性を考えながらぼちぼちバージョンアップしていく予定です。