任意の日時の星座をパソコン上で再現するソフト。インタフェースがシンプルで、小中学生でも簡単に扱える。「パソコン星座早見」はその名の通り、パソコン上で天体を見られる星座早見ソフト。あらかじめ各種パラメータを設定しておくことで、その値に従って星空が描画される。星座が網羅されているわけではないが、小学校の理科で習うレベルの「基礎的な星座」はひと通り表示されるため“星座の基本的な学習”に適する。
操作は非常に簡単で、現在地などのパラメータを入力して「星空の描画」ボタンを押すだけ。指定できるパラメータは、
- 星を見る場所の東経/北緯(度で指定、西経や南緯の場合は負の値を入力)
- 日付/時間(分刻みで指定可能)
- 時差(世界標準時との時差を入力)
- 描画する星の最微光星(1.0〜6.0等星の範囲で指定可能、初期値は4.3)
となっている。描画ボタンを押すとパラメータにもとづいて地方恒星時が計算され、プラネタリウムのように全天の星が円状に表示される。あわせて月齢、月の形、惑星名も表示される。星座線/星座名/方位を表示するかどうかはユーザが選択できる。星座線/星座名を表示する設定にしていると、「わし座」「いて座」などの20の星座と、「アルデバラン」「アルタイル」などの16の星名が示される。さらに、星座ではないものの目印として有名な「北斗七星」「春の大曲線」「冬の大三角」なども表示される。星空が表示されている状態で再度「星空の描画」を行うと、元の星空に重ねて表示する。これを利用して、例えば4月21日の「20時」「21時」「22時」を描画すると各時刻の状態を重ね合わせて見ることができ、20時から1時間後/2時間後に星がどれだけ動いているかが確認できる。設定を変えて再度星空を描き直したいときは、一度「画像を消す」を実行して画面を全消去すればよい。
「恒星を誇張表示するための対数の基底値」というオプション設定も用意されている。この数値は「明るい星であればあるほど大きくする」ためのもので、値が大きければ大きい(1に近い)ほど明るい星が誇張表示され、見つけやすくなる。当然ながら1近辺の値を指定すると星のサイズがあまりに大きくなりすぎるため、0.2〜0.6あたりの数値がお勧めだ。
「パソコン星座早見」で調べられる星座データは「位置情報」と「等級」程度なので、データベース的な利用にはあまり適さない。一方で、操作が驚くほど簡単で、小学生でも問題なく扱える点は非常によい(それを考慮すると、表示されている漢字にはルビがあってもよいのではとも思う)。もちろん、星座に興味を持ちはじめた方の「星座入門用」としても断然お勧めできる。
(田中 剛健)