四字熟語の学習にジグソーパズルの要素が加えられたソフト。熟語の読みをもとに、切り分けられた漢字のピースをジグソーパズル方式で組み合わせる。「4字熟語ジグソウ・パズル」は、細かく分割された漢字のパーツをジグソーパズルさながらに組み合わせてゆく四字熟語学習ソフト。問題を解くには、問題用データファイルを読み込む必要がある。問題ファイルは全部で315個用意され、1ファイルに四字熟語の問題1問が収録されている。ほかの四字熟語に切り替えたい場合は、別のデータファイルを読み込めばよい。
問題ファイルを開くと熟語の読みが示され、あわせて問題パネルに四字熟語がバラバラになった状態で表示される。パーツは、漢字1文字が横に四つ、縦に二つの8分割された状態。パーツが回転したり反転したりすることはない。ウィンドウ下部の「開始」ボタンを押すとパズルがスタートする。
時間が経過するにつれ、カウントダウン方式で得点が少しずつ減ってゆく(初期得点=満点は100点)。問題ボードに並んでいるパーツを解答ボードにひとつずつ移して、正しい漢字を構築する。パーツの移動はマウスクリックに対応する。一度解答ボードに置いたパネルをずらすことはできないため、間違えて置いた場合はパネルを右クリックしていったん問題ボードに戻し、その上で再度置き直す必要がある。パーツの配置がドラッグ&ドロップ操作に対応していると、なおよいのではと感じた。
難易度は「初級」「中級」「上級」の3段階に分かれており、1問解く(問題データを読み込む)ごとに自由に切り替えられる。初級では、熟語を構成する四つの文字がそれぞれ8分割でシャッフルされるだけだが、中級では1・2文字目のパーツと3・4文字目のパーツを混ぜ合わせた状態でシャッフルされる。上級では四つの漢字すべてのパーツ32枚がまるごとシャッフルされる仕組み。上級では、もとの漢字がどのような形かを知らないと、まず解くことはできない。
「4字熟語ジグソウ・パズル」の最も効果的な使用方法は、「うろ覚えの熟語を復習する」ことだと筆者は思う。まったく知らない熟語では解けないし、かといって普段から見知った言葉を学習する用途に向いているとも言い難い。「あの熟語のあの漢字はどうだったっけ?」という状況で、復習用として使うと効果的だと感じた。パネルを組み合わせるには漢字の細かい部分をじっくり眺める必要があるため、部首や形から漢字(と熟語)を“イメージ”として覚えられる。
約840語に上る四字熟語を検索することも可能。漢字やふりがなによる前方一致検索が可能で、該当する熟語がない場合は、最も近い読みの語から順に表示される。検索した四字熟語の問題ファイルが登録されている場合は、熟語をクリックすることで当該ファイルを開ける。
熟語や問題データはユーザが自由に追加できる。熟語の登録は、熟語検索ウィンドウから行える。問題データの登録は、指定の書式に従ってデータファイルを作成すればよい。ツールバーには「問題作成」というメニューがあり、実行するとWindows標準の「メモ帳」と「ペイント」が起動するようになっている。また、作成の手順を示したドキュメントもしっかり用意されており、至れり尽くせりで感心した。
各熟語にコメント(解説)を付加することも可能。熟語それぞれにひとつずつコメントを追加できる。デフォルトではコメント文が用意されておらず、ユーザが自由に書き込める。熟語の大まかな意味を書き込んでおくと便利だろう。
オプションとして、BGMや効果音のON/OFFや、鳴らす音の変更が行える。音を変更したい場合は、直接サウンドファイルを指定する。対応する形式はWAV/MIDI/RMI。
インタフェースは全体的に洗練されており、多少パソコンに触れたことのある人なら誰でも扱える。基本的に最初のステップの「問題データを開く」ところさえクリアすれば、あとは何も考えずに操作できるだろう。学習ソフトにおいては、こうした「敷居の低さ」は重要だと思う。
(田中 剛健)