16×16マスのフィールドに住むライオンとシマウマの生育条件を指定し、生態系のつりあいを保つことが目的の“ライフゲーム風”学習ソフト。「シム フィールド2」は、肉食動物、草食動物それぞれの生態系を維持し続けることが目的の生態系バランス学習ソフト。生態系を維持できる(肉食動物か草食動物が絶滅しない)ように、各生物の繁殖スピードや行動パターンを指定する。指定できるパラメータは、
- 植物の繁殖速度
- 初期頭数(草食動物/肉食動物)
- 繁殖日数(草食動物/肉食動物)
- 耐久空腹日数(草食動物/肉食動物)
- 満腹日数(肉食動物)
- 食料捕獲率(肉食動物)
となっている。「シム フィールド2」では、草食動物はシマウマ、肉食動物はライオンが想定されている。すなわち、「植物の繁殖ペース」と「シマウマの食料消費ペース」、「シマウマの繁殖ペース」と「ライオンの食料捕獲ペース」がしっかりかみ合えばよい。植物の生育状況は16×16の各マスごとに異なり、「荒地」「まばらな草原」「草原」の3種類に分かれる。各マスの植物は、繁殖速度に応じて1日につき0〜80%の確率で1段階植物が育つ。「荒地」ではシマウマが食事を取れない。シマウマは周囲に植物の繁殖状況がよりよい場所があると、自動的に繁殖している地点に移動する。
ライオンは満腹の場合、近くにシマウマがいても狩りをしなくなる。狩りをした直後から「満腹日数」の日数が経過するまでは“満腹”であると判定され、経過後は空腹扱いとなり、再び狩りを行う。
すべての設定を行い、ウィンドウ左下の「シミュレーション」ボタンを押すと左上のシミュレータ画面が動き出す。シミュレータ画面では、シマウマ/ライオンの位置や各マスの植物の生育状況がグラフィカルに表示される。画面は1日単位で逐一切り替わる。動作速度を変更したり、動作を停止(一時停止ではない)したりすることも可能だ。
シマウマとライオンのどちらが絶滅してもゲームオーバー。生態系を長期にわたって維持するためには、いかに各生物のバランスをうまく取るかに尽きる。しっかりバランスが取れていないと、あっという間に絶滅してしまうのだ。絶滅するパターンは大きく四つに分かれる。
- 植物枯渇によるシマウマの絶滅
- ライオンの繁殖過多によるシマウマの絶滅
- シマウマ不足で周囲にエサがなくライオンが絶滅
- 多量のシマウマに取り囲まれ孤立したライオンがエサ捕獲に失敗して絶滅
筆者が見た限りでは、4.のパターンが意外と多く感じられる。周囲8マスがすべて埋まっていると子どもを産めなくなるため、シマウマが大量発生→すべてのライオンが孤立→エサ捕獲に失敗、という状況に陥るのだ。食料捕獲率を10(=100%)にすればこの流れは回避できるのだが、運の要素がまったくないというのも味気ないので、食料捕獲率は10以外の指定をお勧めしたい。どうしてもうまくいかないという方のために筆者なりのコツを伝授しよう。まず「植物の繁殖速度」を最大の8にして、植物不足による連鎖的な絶滅を回避する。また、シマウマはどんどん繁殖させてかまわない。画面内を埋め尽くすぐらいシマウマがいても、植物があまり枯渇しないからだ。この状態で、ライオンのパラメータをいろいろ調整してみるとよいだろう。
「シム フィールド2」に触れると、いかに生態系が神秘的な均衡の上に成り立っているかがよくわかると思う。パラメータを試行錯誤して、ぜひ維持日数の最長記録に挑戦していただきたい。
(田中 剛健)