ほとんど感情を見せない元孤児の少年が、神が住むという謎の島で活躍するRPG。テンポよく進められる独自の戦闘システムと複雑なストーリーが特徴。「揺れる孤島」は、魔法やモンスターが実在する架空世界のある国を舞台にしたファンタジーRPG。その国では、国の至宝である「不思議な宝石」が盗まれて以来、亡霊が人間を襲うという非常事態が頻発していた。この事態に終止符を打ったのが、年端もいかない少年「MASK」。しかし、MASKは命令違反などを理由に上司から睨まれ、いまだ「奴隷兵士」にとどまっていた。
2年後のある日、今度は「闇の子どもたち」と名乗る軍人の一部が宝石を盗み出し、ある島に逃げ込んでしまう。軍は事件を解決するために、MASKと、その従者である「人語を話し、心を読める」という馬のテカを島に派遣する。ところが「闇の子どもたち」は、島の神の強大な力によって人並み外れた力を手にした上、島のモンスターを意のままに操る力まで得ていた。
もともと国の英雄だった「闇の子どもたち」が国を裏切った理由、島に住む不思議な住民たちの正体、MASKの出生の秘密など、さまざまな謎をはらみつつ物語は進んでいく。笑ったり泣いたりという感情を見せない元孤児のMASKや、ちょっと裏のある性格の馬テカ、元スリながら主人公を慕って従者となったレダなど、魅力的なキャラが多数登場して、複雑なストーリーを盛り上げてゆく。
戦闘システムにはシンボルエンカウント方式を採用。敵グラフィックに接触すると、戦闘画面に移行する。
攻撃は武器、腕、脚による三つの方法から選択する。武器攻撃は【↑】キーの2回押し、【←】キー2回で腕攻撃、【↓】キー2回で足攻撃となる。それぞれの攻撃には個別のレベルが設定されており、同じ攻撃を繰り返すことで攻撃レベルがアップする。基本的に、ボタンを2回押してはじめてコマンドが実行されるので、間違えて意図しないキーを押してもキャンセルできる。
主人公が敵から攻撃を受けるのも体、腕、足の3ヵ所。部位ごとに体力が設定されており、「体」の体力が0になるとゲームオーバーとなる。また、腕や脚の体力が0になると、腕や脚での攻撃ができなくなる。
ストーリーが進むと、敵から受ける攻撃個所の確率を変更できる便利なアイテムが手に入る。このアイテムを使うことで、例えば「脚による攻撃」をメインに戦っている場合は、脚に受ける攻撃の確率を低く設定するなどの対応が可能だ。
通常攻撃のほか、【Shift】キーで力を溜めて通常の2倍以上の攻撃力を発揮する「溜め」を利用することも可能。ただし「溜め」の最中に攻撃を受けると溜めがキャンセルされてしまい、タイミングによっては形勢が不利になることもある。
宝箱などから見つかる「魔法書」アイテムを読むことで、攻撃魔法やサポート魔法を覚えることも可能。魔法は二つまでしか覚えられないため、新たな魔法を覚えるにはすでに取得している魔法を一度忘れる必要がある。忘れた魔法は、魔法書を読み直すことで何度も覚え直せる。魔法枠は限られているので、場所に合わせた魔法をセットするように心がけたい。魔法の発動は、戦闘中に【Shift】キーを押して【↑】/【↓】で魔法を選択すればよい。
移動マップでは【Shift】キーでジャンプが行えるなど、ちょっとしたアクション要素も用意されている。【Shift】のジャンプでは、一見先に進むことができない場所にも移動できることがある。宝箱は隠れていることが多く、マップ上の宝箱をすべて探し出すのはなかなか難易度が高い。ジャンプは抜け道を探すだけでなく、敵を飛び越えて逃げるなどの使い方もある。
さらに、ダンジョン内には「動く炎」や「転がってくる岩」を避けつつ先に進むという、アクション要素の強い罠が仕掛けられていることもある。なかには一発当たるだけで即死してしまう罠もあるので、気を抜けない。