アルファベットが書かれた玉を組み合わせて英単語を作成してゆくソフト。約28,800語にわたる単語が登録されており、英語の初心者から上級者まで幅広い学習レベルに対応する。単語の訳を参照することもできる。「espuzzle」は、アルファベットが書かれた玉を組み合わせることで英単語を作成してゆく学習ソフト。用意されている5〜8種類のアルファベットを用いて、複数個の英単語を作成することが目的。出されるアルファベットはステージごとに変化し、少しずつ個数が増えてゆく。
用意されているモードは「Normal」「Random」「Free Choice」の三つ。「Normal」は全100ステージで、出題内容は固定。「Random」は英単語の文字数を6〜8文字のなかから選択できる。「Free Choice」では、好きなアルファベットを自由に使うことができる。
玉は、フィールド上に自由に並べることが可能。玉同士が近づくと淡い線が表示されて“くっつく”。玉同士がくっついている状態に限り、ワードとして認識される。玉と玉をある程度離すと、淡い線は消える。なお、文字の並び順は、淡い線の太い方から細い方に向かう順序で認識されるため、線の太さも確認しておくといいだろう。
操作はキーボードとマウスのどちらでも可能。ハイスコアを狙う場合はキーボード操作が必須なのだが、筆者としては敢えてマウスの使用を強くお勧めする。というのも、マウスによる操作ではボールを自在に動かせるからだ。玉をドラッグして移動させると慣性が働き、玉同士がぶつかったり、はじきあったりするのだが、この操作感が絶妙で、やみつきになる。
さらに、「espuzzle」の最大の特徴でもある「玉をドラッグして適当に動かしているうちに突然単語がヒットする」というのはマウス操作でしかあり得ない。ユーザが知らない単語が「ポン」と閃くのは非常に快感なので、ぜひ試してみていただきたい。筆者の場合は、よく「EA」の並びだけ固定して前後を適当に組み合わせていた。「DEAR」「EARN」「GEAR」など、適当なアルファベットを付けるだけで簡単に単語が生まれる。
正解となる組み合わせの単語は画面上部に一覧表示される。ただし、未解答のものは「?」で隠されている。玉をくっつけて「英単語」が成立した場合、玉がフラッシュすると同時に「?」のパネルが開いて解答した単語が出現。このとき、単語パネルから画面右のバーに星が流れてゆく。星を100個以上集めるとステージクリアとなり、次のステージに進むことができる。
星がフィールドを流れている間に次の単語を組み合わせると「COMBO」となる。COMBOを続ければ続けるほどスコアが大きく上がる。ステージの単語をまるまるCOMBOで繋ぐと、クリア条件の10倍近くの星を得られることもある。
画面上部の単語パネルは、クリックすることでメニューが開く。日本語訳を調べたり、「正解日時」や「訳を見た日時」などを確認したりできる。訳をヒントに見立てて、「?」状態の英単語を考えることも可能だ。
訳を見ても単語が浮かばない場合は、一覧から推測するという手段もある。一覧はアルファベット順で並んでいるため、前後の回答状況から「?」パネルの内容をある程度推測することが可能。例えば「ANT」「?」「ART」の並びの場合、「?」に入るものは1文字目が「A」、2文字目が「N」〜「R」であることがわかる。これだけ絞り込めれば、総当たりで玉を組み合わせることができるだろう(あまり学習面ではお勧めできないが……)。
「語彙を増やす」だけでなく、「語彙能力を維持する」点でも「espuzzle」は優れていると感じた。なぜなら、「過去に正解した日時」「訳を見た日時」「ステージごとのスコア」など、繰り返し学習に役立つ情報の表示機能が充実しているからだ。ハイスコアを出そうと躍起になってステージを繰り返しているうちに単語を復習でき、自然と頭に入ってゆく。
オプションでは、「辞書サイト」「ログ表示の有無」「難易度」「制限時間の有無」などを指定できる。「辞書サイト」には、Google Images、Dictionary.com、Yahoo!辞書、TheFreeDictionaryを指定可能。「難易度」は、「子ども」「普通」「マスター」「翻訳家」の四つから選択できる(Normalモードは「子ども」で固定)。そのほか、画面の表示色やボールの種類を変更することも可能。こうした微細なカスタマイズが行えるのも魅力だ。
(田中 剛健)