マルチバンドコンプレッサと呼ばれる高度なエフェクト機能を搭載したサウンドプレイヤー&MP3/WAVファイル作成ソフト。「FabulousMP3」は、MP3/WAVファイルを読み込み、エフェクトを加えた上でMP3/WAV形式にエンコードできるソフト。FM放送局などで使われる業務用コンプレッサに近い、高いクォリティのマルチバンドコンプレッサ機能を搭載し、聞きやすくメリハリのある音を作成できる。
利用できる音声エフェクト機能は、大きく分けて6種類。
- 6バンドピークリミッタ/コンプレッサ(音量感を増す)
- 2バンドの前段オートマチックゲインコントロール(AGC)(音量を均一にする)
- 前段パラメトリックイコライザ(音質にメリハリをつける)
- フェーズローテータ(低域に遅れ感を付加する)
- 3モードステレオエンハンサ(音場に広がり感を加える)
- 3モードクリッパ・アタックタイム調整(低域のアタック感を変える)
エフェクトをうまく組み合わせることで、楽曲のダイナミックレンジが元の情報よりも圧縮され、曲全体を通じて均一な音量感・パワー感が得られるようになる。例えばヘッドフォンステレオなど、ナローレンジの機器で再生した場合でも、聞き取りやすい豊富な音量で、かつパワーのある再生が行える。メイン画面にはレベルメータが並び、個々のエフェクトパラメータは数値で表示される。再生中は、リミッタやエフェクトのかかり具合がグラフィカルに表示される。すべてのパラメータはメイン画面からマウス操作でダイレクトに変更することが可能。エフェクトはリアルタイムで適用され、パラメータの変更と同時に再生音も変化する。実際に耳で聞きながら、エフェクトの適用度をコントロールできるようになっている。
パラメータは「推奨のサウンド設定」として、デジタル放送、インターネットラジオ、FMラジオのシミュレートなど、15種類があらかじめプリセットされている。ユーザ用のプリセット領域も三つあり、パラメータを保存しておくことができる。
ソースとして利用できるデータは非圧縮WAVファイル(32/44.1/48kHz、16ビット、モノラル/ステレオに対応)のほか、32〜320kbps(CBR)のMP3ファイル。エフェクト対象となる音声ファイルは複数を指定できる。表形式のリストから連続再生したり、同一のパラメータで複数ファイルを一括で処理したりできる。
エフェクトを適用したデータは、非圧縮WAVファイルとして作成される。MP3ファイルにエンコードした上で出力することも可能。WAV→WAVやMP3→MP3のような同一フォーマットだけでなく、MP3→WAV(WAV→MP3)といった処理も行える。MP3のID3v1タグにも対応する。加工対象のMP3ファイルにタグが含まれている場合、タグは出力ファイルに継承される。
Ver.1.08からは、外部のMP3エンコーダを使用できるようになった。