明るく元気なカワセミを中心に、鳥たちが暮らす世界を描いた異色のアドベンチャーゲーム。アイテムコレクションの要素もある。「Celestial Carol」は、鳥たちの世界が描かれたファンタジーアドベンチャーゲーム。物語の舞台は、鳥たちが文明を築き上げた世界「ベルカナ」。ベルカナには、
- 世界は「鳳凰」と呼ばれる鳥によって作られ、鳳凰をはじめとする4羽の「神鳥」によって守られている
という伝説がある。それぞれの神鳥は500年に一度、「星の篝火」と呼ばれる祭りで後継者を決めるという。物語の主役「ルグス」は、カワセミ族の雌鳥。「現在の鳳凰」で、500年以上を生きている神鳥「ベルテネ」と暮らし、音楽学校「ソウィル音楽専門学園」の声楽家に通っている。ルグスは500年ぶりに開催される「星の篝火」で新しい鳳凰に選ばれるため、友だちとともに日々歌の練習を続けていた。
鳥たちは、独特の韻と旋律を使って歌うことで「魔笛」と呼ばれる力を発動することができる。魔笛は、風を起こす、怪我を治すといった魔法のような効果を発揮する。鳳凰ともなれば、歌声で聴く者の心を溶かすことさえできるという。
システムは一般的なノベル形式。物語の途中では、何度かプレイヤーが行動を選ぶ場面もあり、一部の選択肢では時間制限が付いている。選択肢が表示されたときにデジタル音が鳴った場合は「時間制限あり」の合図。時間制限ありの選択肢では、タイムアップギリギリまで放置しておくと選択肢が増えることもあるので、アクションゲームのようなスリルを味わうこともできる。
ストーリーは「世界の創造」や「500年に一度の『神』を決める大祭」というスケールの大きな話が軸となるが、やりとりはコミカルなタッチで進んでゆく。その最大の要因は、登場する鳥たちの個性的な性格にある。
魔笛の才能はあるが、制御が利かないために力を暴発させてばかりいる「ルグス」は、考えるより先に足が出る性格で、その強さは学園中に知れ渡っているほど。ルグスの友だち「ジェド」は、猛禽類のトビ族の雄でありながら、なぜかいつもルグスにサンドバッグ扱いされる不幸な役回り。声が出ないために舞楽科で勉強するルグスの親友「ヌアザ」は、優しい笑顔を振りまく人気者ながら、時折腹黒い一面を見せることも……。
そのほかにも、現在の鳳凰でありながら子どものように手間がかかる「ベルテネ」、一見優しく公明正大ながら、無表情で恐ろしいセリフを吐く学園長「ミューズ」、なぜか学園内を歩き回っているフライドチキンを捕まえようと頑張る講師たちなどが登場し、学園は毎日が大変な騒ぎだ。
さらに「世界を創造した鳳凰の謎」「現在の鳳凰ベルテネの謎」「次の鳳凰継承者選び」など、シリアスな内容のストーリーも並行して進み、最後にはプレイヤーをホロリとさせてくれる。
メインのストーリー以外にも、ゲーム内ではさまざまな楽しみが用意されている。例えば、ゲーム内では随所で「宝探し」のミニゲームが挿入される。宝探しは、81マスの盤面から「宝」があるマスを探し出すというもの。基本的なルールはナンバープレイスに則していて、「縦一列」「横一列」「3×3マスのエリア内」それぞれに1から9までの数字をひとつずつ入れればよい。
タイトル画面のメニューから「ギャラリー」を選択すると、物語の中で手に入れたさまざまなアイテムを確認することができる。ギャラリーをすべて埋めるのも楽しみのひとつだ。ギャラリーアイテムの入手条件はさまざまで、一度のゲームクリアですべて手に入れることはできない。いろいろな選択肢を試してみよう。