自分の名前以外の記憶を持たない少年と神官見習いの少女が、さまざまな困難を乗り越えて世界を旅するファンタジーRPG。「Birth Memory」は、困っている人を助けるのが仕事という神官見習いの少女「イヴ」と、記憶喪失の少年「ジェサス」が主役のファンタジーRPG。イヴは、通っていた学校を卒業した日に、浜辺に打ち上げられていたジェサスを助ける。ところが、目を覚ましたジェサスは、名前以外の記憶をすべてなくしたという。
そこでイヴは、学校の教師たちにどうしたらいいか意見を求める。教師たちの「ジェサスとともに世界を旅して見聞を広めればよい」という言葉を受けて、イヴは旅立とうと決意する。イヴは「世界を知り人間として成長するための“経験”」を、ジェサスは「世界を旅して自分の過去を探すきっかけ」を求めて旅をはじめる。二人は、さまざまな街を訪れて住民たちから情報を集め、その街が抱えている「問題」を解決することになる。
本作の魅力は何といっても「謎の多いストーリー」と「魅力的なキャラ」。物語の舞台となるのは、ジェンダール、アデル、ライアス、スコールという四つの国からなる世界。4国の関係は、かつては平穏だった。だが、3年前の「ジェンダール国建国記念日」に「黒の災い」と呼ばれる大災害が発生。この災害で、会合のためジェンダールに集まっていたアデル国以外の国王が全員亡くなってしまう。
こうした不安定な世情のなか、イヴたちは世界を旅することになる。旅の途中では、禁じられた魔法を使う謎の集団とも遭遇。二人は旅を通して、ジェサスの記憶だけでなく、世界を左右した「黒の災い」の核心に触れる真実とも向き合うことになる。
登場するキャラは個性派揃いだ。イヴは名家の娘で、神官の学校を主席で卒業するほどの優秀な女の子。ただし、極度の「イケメン」好きな上、「困っている人を助ける」のが仕事の神官補であるにもかかわらず、身内に対しては少々ワガママなところもある。記憶を失った少年ジェサスは、イヴよりも年下ながら冷静にツッコミ役をこなす苦労人。彼らだけでなく、途中から仲間となるキャラたちも個性的で、プレイヤーを飽きさせない。
一般的なターン制が採用された戦闘システムはオーソドックス。装備している武器で戦う「攻撃」、魔法などを発動できる「特殊技能」、ダメージを半減できる「防御」、持っている道具を利用できる「アイテム」の四つのコマンドで敵と戦うことになる。エンカウントは、フィールド上の敵グラフィックに接触すると戦闘がはじまるシンボルエンカウント方式。
特徴的なのが「戦闘で敵を倒しても経験値がたまらない」こと。レベルアップするには、特定のモンスターを倒したり、特定のイベントをこなして「レベル・ストーン」を手に入れたりする必要がある。レベル・ストーンを手に入れれば、自動的にパーティ内のキャラ全員がレベルアップする。レベルアップと同時に、新しいスキルや魔法を覚えることもある。
レベル・ストーンのシステムにより、レベルアップのための経験値稼ぎに長い時間をかける必要がない。敵との戦闘は極力避けて、サクサクとストーリーを進めることもできる。
一部のレベル・ストーンは、ダンジョンに隠されていることもある。ある敵と戦うにはレベルが足りないと判断した場合は、通ってきたダンジョンをもう一度探検し直すのもよい。