次々に出される四則演算の穴埋め問題を解いてゆく暗算ソフト。解答時はテンキーだけですばやく操作でき、ストレスなく答えを入力することができる。「穴埋めスピード計算」は、制限時間内に穴埋め式の加減乗除算を解いていく計算練習用のソフト。出題形式は「16-□=9」「20×8=1□0」のような虫食い式で、穴(□)が開いているところに解答の数字(1字)を入力する。テンキーの数字を1回押すだけで、すぐに次の問題に移れる。
「制限時間」「演算の種類」「レベル」など、モードを細かく設定できる。「制限時間」は1分または3分。基本のモードは1分で、飽きずに集中して取り組むことができる。長い時間を掛けて挑戦したい人は、3分のモードを選ぶとよい。ユーザごとの好みもあるとは思うが、筆者の場合は3分モードだと集中力の持続が難しいので、1分モードが最適だと感じた。
「演算の種類」は、+/−/×/÷のなかから解きたいものを自由に選べる。加減算だけを解きたい場合は、×/÷をOFFにするか、または乗除算だけを解きたい場合は、+/−をOFFにする。複数指定することも可能で、4種類すべてをONのままにすると、加減乗除算が混合で出題される。当然ながら、四つすべてをOFFにすることはできない。
「レベル」は、問題の難易度を示すもので、1から5まである。数字が大きいほど難易度が上がる。出題される問題の範囲は、
- ・レベル1
- 加減算:1桁同士(繰り上がり/繰り下がりなし)、乗除算:1桁同士の組み合わせ(解の最大が20まで)
- ・レベル2
- 加減算:1桁同士(繰り上がり/繰り下がりあり)、乗除算:1桁同士の組み合わせ
- ・レベル3
- 加減算:1〜2桁同士、乗除算:1〜2桁と1桁の組み合わせ(解の最大が200まで)
- ・レベル4
- 加減算:1〜2桁同士、乗除算:1〜2桁と1桁の組み合わせ
- ・レベル5
- 加減算:1〜3桁同士、乗除算:1〜2桁同士の組み合わせ
となっている。レベル2の乗除算は、いわゆる「九九」にあたるもの。LV3以上の乗除算では2桁の値を用いた問題が出てくるので、一気に難易度が上がる点に注意したい。特にレベル5の乗除算は、2桁同士のかけ算をすべて暗記していないと解くことすら難しい。モードを選択して「開始」ボタンを落すと、ドリル風の問題画面が現れる。穴が開いた計算問題が10題出てくるので、上の問題から順にテンキーで解答を入力してゆく。解答の数字を入力した段階で、即座に「正解」「不正解」が示される(不正解の場合は正しい答えもあわせて表示される)。タイトルバーに表示されている制限時間が0になるまで、ひたすら暗算を続けてゆく。
制限時間後、「得点(正解数)」と「正解率」が表示される。正解率は、総合正解率と各算法別の、計五つの正解率が閲覧できる。「減算だけ正解率が高い」「乗算の正解率が低い」といった、算法ごとの得手不得手を知ることができる。
成績のデータは自動で記録される。過去の成績(10日分/10回分)をグラフ表示してくれるので、成績が伸びているかどうかがすぐにわかる。ゲーム感覚でスコアの伸びをわかりやすく確認できるのは、継続的な学習を促す要素になると感じた。とはいえ、極めれば極めるほど自分自身(主に指先)とのストイックな戦いになるのだが……。
複数ユーザで交互に利用することも可能。ユーザの追加・切り替えは、ソフトの起動時などに行える。成績データはユーザごとに保存されるため、仮にパソコンが1台しかない場合でも、家族全員で学習できる。
最後に、「解答を速くするためのコツ」をひとつだけ伝授。レベル1〜2に関しては、数式をビジュアルイメージで覚えてしまうことに尽きる。「1□-5=7」という式が見えたら即座に「2」が頭に浮かぶようになれば、しめたものだ。ただし、レベル3以上では問題のパターンがあまりに多いので、まるで通用しない。高レベルで高得点を出す方法があったら、どなたかご教授を……。
(田中 剛健)