「日本漢字能力検定(漢検)」向けの漢字トレーニングを行える学習ソフト。準1級から3級までの各級別に、漢字を学ぶことができる。「漢字検定トレーナー for 2級・準2級・3級+準1級」はその名の通り、「漢検」のトレーニングを行える学習ソフト。用意されたモードは「読み」「部首」「熟語理解」の三つ。問題数は「部首」が1,936問、「熟語理解」が500問。「読み」は級ごとに分かれ、準1級が726問、2級が1,830問、準2級が2,269問、3級が2,004問となっている。
いずれのモードでも、答えを間違えると以後、その問題が集中的に出題されるようになる。逆に、「ユーザが確実に記憶している」とされた問題は出題率が下がり、効率的な学習を行える。入力操作は極力簡略化され、集中を途切れさせることなく学習できるよう工夫されている。
「読み」では、最初にどの級の問題を解くかを選択する。ユーザは出される問題(漢字)に対し、読みをローマ字で入力してゆく。普段からローマ字でキー入力をしている方は問題ないと思うが、筆者は基本的に「かな入力」がメイン。「漢字検定トレーナー」のようにローマ字オンリーの入力方式では、どうしても頭の中で日本語をローマ字に変換する必要が生じてしまう。スムーズに日本語が入力できないのはストレスがたまるので、できれば「かな打ち」にも対応してもらえると、切にありがたいと感じた。
「読み」モードで入力する文字は「漢字」の部分だけでよい(送りがなを入力する必要はない)。入力後に【Enter】などのキーを押す必要もない。キーボードから手を離さずに、ひたすら読みを入力できる。入力途中で間違えた場合は、最後の文字まで入力する前に誤答であることを教えてくれる。誤答の場合、1回目は再入力を促される。さらに間違えると正しい答えが表示され、再入力を求められる。2回以上間違えた問題は、以後も集中的に出題される。
「部首」は、部首名をローマ字で入力するもの。答えの入力や、誤答した場合の再入力などは基本的に「読み」と同様。部首は「へん」「かまえ」「つくり」まで入力する必要はない(「ぎょうがまえ」は除く)。例えば「にんべん」であれば、「にん」まで入力すると正解になる。正解すると、部首の形と部首名(ひらがな)が表示される。
「熟語理解」では、二字熟語の意味を答える。選択肢は六つあり、
- 同じような意味の漢字を重ねたもの
- 反対または対応の意味を表す字を重ねたもの
- 上の字が下の字を修飾しているもの
- 下の字が上の字の目的語・補語になっているもの
- 主語と述語の関係にあるもの
- 上の字が下の字の意味を打ち消しているもの
となっている。例えば、「点滅」は「点」と「滅」が対の関係にあるため、「反対または対応の意味を表す字を重ねたもの」が正解。該当する項目のクリックで答えてゆく。「熟語理解」は他のモードと異なり、何度間違えても正解は表示されない。熟語理解で難しいのは、上下の文字が「修飾している」か「主述の関係」かを見極めること。制限時間はないので、わかりづらい単語は焦らずじっくり考えよう
「読み」と「熟語理解」では、単語の辞書データをWeb上の辞書サイトからダウンロードできる。ダウンロードは、辞書データ保存用のソフトから行う。辞書データがある場合、「読み」「熟語理解」で答えたあとに言葉の意味が表示されるようになる(ダウンロードしていない場合は意味が表示されないだけで、動作に支障はない)。意味を表示するタイミングは、オプションで「誤答したとき」「出題と同時」に変更することもできる。
「漢字検定トレーナー」には、「for 2級・準2級・3級+準1級」のほか、級ごとに絞って学習したい方向けに「2級」「準2級」「3級」のパックも用意されている。Ver.4.00では、準1級の問題数が少ないためオマケ扱いになっている。今後はぜひ準1級の問題追加にも期待したい。
(田中 剛健)