フィールドの端からせり出してくる文字をタイプして消してゆくタイピング練習ソフト。アルファベット入力、かな入力の両方に対応する。他のプレイヤーとネットワーク経由で対戦することもできる。「TEXT COMMANDER R4(わたた こんくり たいぱ〜)」は、落ちモノ風パズルゲームタイプのタイピング練習ソフト。フィールドの右端から5列分の英字(かな打ち設定であればひらがな)がせり出してくる。各列の一番左にある文字を入力すると、「わたたっ」という掛け声とともに、入力した文字が消えるようになっている。せり出してきた文字がフィールドの左端に到達してしまうとゲームオーバーだ。
一番左の文字(消せる文字)は5列分あるので、消せる文字は五つ。ただし、5列の文字がすべてが揃っている場合、該当する文字を全部まとめて消すことができる。例えば、左端の文字が5文字ともすべて「X」だった場合、【X】キーを押した瞬間に「X」の文字が全部消える。偶然で5列が揃うことはなかなかないので、まとめることを意識しつつ、文字を消していきたい。
文字のせり出し速度はレベルによって変わり、レベルが高ければ高いほどスピードが上がってゆく。文字を消せば消すほどレベルが上がり、最高レベルは15となっている。15レベルを最後まで凌ぎきるとゲームクリアとなる。
15レベルの難度は「タッチタイピングができれば」それほど苦戦しない程度。逆に言えば、タッチタイピングができない場合は大いに苦戦することになる。筆者の場合は似非タッチタイピング(一部の文字はキーボードを見ないと打てない)ので、12〜13レベルあたりから苦しくなった。
タイピング練習ソフトである以上、やはりタッチタイピングをマスターしたいところ。なかなかできないという方は、ぜひ「手元を見ず」に画面だけを見るようにしてタイピングしてみてほしい(似非の筆者が偉そうに言うな、という気もするが……)。
「そんなの無理!」という方は、次の仕様を頭に入れておこう。
- フィールドに出てくる文字の種類はレベルごとに4〜8種だけ
例えば、レベル1ではC/V/X/Zだけが次々に出現し、レベルが2に上がるとA/D/F/S/Wだけが出るといった具合。ただし、出る文字はプレイのたびに毎回ランダムで変わる。また、レベルが上がった瞬間は、前のレベルで消し残した文字がフィールド上に残っているので混乱しやすい。15レベルをクリアできるようになったら、ぜひハイスコア更新を目指したい。高スコアを狙うポイントは「COMBINATION」と「ぜんけし」によるボーナスだ。「COMBINATION」は、次の文字がせり出してくる前に文字を消すことで増える値。同一文字のまとめ消しや、フィールドの文字を全部消す「ぜんけし」で得られるボーナスの基礎点になる。「COMBINATION」の値が高い状態でボーナスを出すと、それだけ高得点が期待できる。
「ぜんけし」すると、直後に文字が一気にせり出してくる。せり出す量は「ぜんけし」をした回数が多いほど増えるので、高レベルのときに「ぜんけし」すると一転、ピンチになる可能性もある。……筆者のように、「ぜんけしぃ〜」という癒し系ボイスを聞きたいがために、消しまくって自滅するというのも、それはそれでアリなのかもしれない。
ネットワークを経由して他のユーザと対戦することも可能。基本的なルールは一人用と同じだが、文字を消した数に応じて相手のフィールドに文字を送り込める点が異なる。ただし、勝負は知らないうちについてしまう。相手がどういう状況なのかを見ることができないためだ。せめて相手の状況を示すもの(積み上がっている文字量のゲージなど)があれば盛り上がると思うのだが……。
とはいえ、全体的には非常によくまとまっており、楽しくタイピング練習を行うことができる。タッチタイピングができる人にもできない人にもお勧めできるソフトだ。
(田中 剛健)