不老不死の力を持つ探偵とオカルト好きの少女が、謎めいた事件を解決してゆく推理アドベンチャー。「幻想カンタータ 第1番」は、探偵業を営む青年「アレックス」が事件を推理するアドベンチャーゲーム。物語は、アレックスと同居する少女「橘クリストファー」が散歩中、公園で奇妙な死体を発見することからはじまる。死体の首に「二つの穴」が開いていたことから、クリストファーは“ヴァンパイアによる犯行”と考える。オカルト好きのクリストファーは、「事件を追えば本物のヴァンパイアを自分の目で見られるのでは」と思い、アレックスに犯人探しを(半ば強引に)依頼する……。
プレイヤーの目的は、殺人事件の真相と真犯人を暴くこと。主人公のアレックスを操作し、街の住民や関係者からさまざまな情報を手に入れて事件を推理する。
ゲームで重要なのが「メモ」の存在。メモは、事件に関係のある事実などが書きとめられた特殊アイテム。例えば、被害者について聞き込みをし、情報を手に入れると、メニュー画面のメモ欄に「被害者」という項目が追加される。
メモには「消去不可能メモ」「消去可能メモ」の2種類が存在する。どちらのメモも、最大三つまでしか保存できない。「消去不可能メモ」はその名の通り、消去できない重要なメモ。ゲーム内で三つだけ用意されている。「消去可能メモ」は多数を入手できるが、すべてのメモを確認するには、不要なメモを捨てていかなければならない。
「消去可能メモ」の取捨選択によって、エンディングが変化する。物語の終盤では、ゲームの総括ともいえる「推理」シーンが用意され、手元のメモを使って推理を披露する。迂闊にメモを捨ててしまうと、「犯人はわかっているのに推理の根拠を示せない」という結果に終わることもある。
エンディングには、完全な推理を提示できない場合に発生する「ノーマルエンディング」と、真犯人を追い詰める「トゥルーエンディング」が用意されている。
クリア後には「Detective rank」(探偵としての評価)が表示される。「Detective rank」は、ゲーム内で手に入れた「探偵評価」によって変化する。探偵評価は、聞き込みで特定の情報を得たり、メモを手に入れたり、正しい推理をしたりした場合などに加算される。なかには、かなりわかりにくい方法でしか手に入らないものもある。
ゲーム内で、ある特殊なアイテムを手に入れると、ゲームクリア後にオマケ要素の「裏世界」に行ける。「裏世界」では、ゲームの裏事情を見たり、ゲームのヒントを入手したりできる。また、探偵評価が高いほど多くの情報を手に入れられるようになっている。
さらに、探偵評価で満点(100点)を得ると、アレックスとは別の人物が主役を務める「番外編」をプレイできるようになる。「番外編」は、事件の真相を知っている人向けの、ギャグ一辺倒のドタバタコメディ。本編とは違った楽しみ方ができる。