フィールドに書かれた文字をすばやく入力し、選手を操る対戦型サッカーゲーム。サッカーゲームをしながら、楽しくブラインドタッチを学ぶことができる。「対戦型タイピングサッカーExcel2000」は、タイピング練習機能とサッカーゲームを組み合わせた異色のソフト。ルールは通常のサッカーとほぼ同じで、5分の制限時間の間にゴールを多く決めた方が勝ち、というシンプルなもの。ただし、選手の操作はキーボードによるタイピングで行う。
細かく区切られたフィールドの各ゾーンには、英字(2P対戦時はテンキーも含む)がランダムで割り当てられている。ボールが転がっているゾーンに書かれているキーを押すと味方選手が出現し、ボールを敵陣に向かって蹴り出す。そうしてキーを次々と押し、ボールを相手ゴールに押し込めばよい。
ただし、キー入力が遅いと敵にボールを蹴られてしまうこともある。この「敵にボールを取られる」というのが何とも悔しく、アツくなる。特に自陣ゴール前で敵がすばやく動いてくると、いつゴールを決められるかとヒヤヒヤさせられる。つまり、いかにすばやくキーを押せるか(=タイピングの速度)が勝利のカギを握るというわけだ。
敵がボールを蹴るまでの時間は「スピードコントロールバー」で設定できる。スピードは、0(速い)から100(遅い)まで100段階に分かれている。最初は50あたりを目安として、慣れてきたら徐々にスピードを上げてけばよいだろう。ちなみに“0”に設定すると、敵が異次元のスピードで動き回るため、圧倒されること必至。筆者の場合は自己流の“にわかブラインドタッチ”なので、25がギリギリ勝てる上限だと感じた。まだまだ精進が足りないということか……!
最終的な目標は「ゴールを多く決めること」なので、中盤の攻防では、打ちづらいキーや苦手なキーをスルーしてしまってもかまわない(もちろん自陣ゴール前でスルーするのは御法度だが)。作者曰く「得意なキーを集中的に練習するのもアリ」とのことなので、ブラインドタッチ未習得の方は押すキーを絞って遊ぶとよいだろう。プレイを重ねて、少しずつ得意なキーを増やしていけばよい。
ゴールを決めるためには、相手ゴール付近のゾーンでボールを蹴り込む必要がある。とはいえ、ゴール幅が狭いため止まっているボールを蹴るだけではなかなか枠に飛んでいかず、やきもきさせられる。
ゴールするコツは、相手ゴールの目の前にあるゾーン上をボールが通過したら、すぐさまキーを押して蹴り出すこと。当たり前だが、ゴール前の至近距離でキックすれば、それだけ得点を決めやすくなる。ゴール前の2〜3プレイのスピードでゴールが決まることがほとんど。ボールがどう動くかを意識しながら、ラスト2〜3回分のキーをすばやく入力できると得点率が上がる。
二人で対戦する場合は、一方が英字キー、もう一方がテンキーを使って対戦することになる。テンキーの場合はキーの範囲が狭いため、片手でプレイすることになるだろう。
メインのサッカーゲームとは別に、ブラインドタッチを練習できるモードも用意されている。ランダムで決められた50字をすばやく入力する。入力後、掛かった時間とミスした回数を教えてくれる。上位3回分のランキングを表示する機能もある。
同じ作者の関連ソフトとして、ゲームシステムはほぼ同じだが、登場するのは選手でなく猫という「タイピングサッカー猫 for Excel」もある。愛らしい猫たちがボールを蹴り合う様は、見ているだけでも癒されること必至。猫が好きという方は、ぜひこちらもお試しいただきたい。
(田中 剛健)