中学校の数学で習う「一次関数」を楽しみながら学べるソフト。「G-shooting78」は、数字を入力して一次関数のグラフを描き、フィールド上の隕石を破壊してゆくゲーム風の学習ソフト。スコアは砕いた隕石の数などで決まり、ハイスコアを狙う楽しみもある。舞台は近未来の西暦2060年。彗星γが地球に最接近し、無数の隕石が降り注ぐ。プレイヤーは、地球の危機を救うために光電磁ビームで隕石を破壊する、というのがゲームの背景になっている。
フィールドはx、yとも+10から−10までの範囲で、20×20のグリッドが描かれている。このフィールド上に7個の隕石が出現する。プレイヤーは“y=ax+b”のうちa、bを入力して一次関数のグラフを描き、グラフの線が隕石に触れれば破壊できる。aに入力できるのは+1〜9、−1〜9のほか、分数値。分数を使って隕石を破壊すると、整数値のときよりもスコアが若干増えるので、積極的に狙うと高得点になりやすい。
グラフを描いたあとは、いったんフィールド上の隕石がいったん消滅し、新たな隕石7個が再配置される。グラフを描かなければ隕石が消えることはなく、どのようなグラフを描くかをじっくり考えられる。とはいえ、1回のプレイ時間は3分しかなく、ハイスコアを狙うなら隕石を次々と破壊することが必要だ。
一人でも二人でもプレイすることができ、互いにスコアを競い合うことも可能。二人でプレイする場合は、交互に数値を入力してゆく。最初はプレイヤー1の残り時間がカウントダウンされ、プレイヤー1が数値を入力した段階でプレイヤー2の残り時間がカウントダウンされはじめるという仕組み。最終的には、二人とも3分の持ち時間を使い切った段階で終了となる。
(一次関数を習ってから十数年が経過している)ヘタレな筆者の考えでは、ポイントはズバリ傾き具合、すなわちaに入る数値だ。まずフィールドをすばやく見回して、2個、できれば3個以上の隕石が同時に消せるところを探す。その2点間のy差、x差を計算し、分数値でそのまま入力すればよい。例えば座標が(3,3)と(5,7)であれば、分数ボタン、2、4の順で押せばaの値を簡単に決められる(その際、値が“2分の4”だから整数の2に置き換える、といった点は気にしない)。
ただし、b値は分数を使えないため、x差がy差よりも大きいとb値を決められなくなる場合がある。よって、プラスでもマイナスでも、傾きが急勾配になるような隕石を探せばよい。b値をすばやく求めたい場合は、モニタに定規を当ててy軸との交差点を見るという方法(というかズル技)もある。
一人用でのプレイでコツコツとハイスコアを狙うのももちろん楽しいが、筆者は「二人対戦形式」が予想以上に盛り上がると感じた。中学生はもちろん、「とっくの昔に中学校は卒業した」という方も、同世代の相手を確保してプレイしてみるといい。世代が近い人同士だと、白熱した戦いになりやすい。ハイスコアを競い合うと、年甲斐もなくはしゃいでしまうこと請け合い。ただし、あまり頭を使いすぎると知恵熱が出るのでご注意を。
(田中 剛健)