まずは、自作ゲームのBGMを独自の音色で作りたいというのがはじまりでした。それで、これまでにゲームに合わせたサウンドエディタを二度作りました。それらを作り、使っているうちに、もっと汎用性のあるものが作れると思いました。それが三度目のサウンドエディタ「ピストンコラージュ」です。これまでにない課題が三つありました。
ひとつ目の課題は、自分以外の人も使いやすいこと。これまでは、自分さえ使えればよかったのでインタフェースが粗末でした。たくさんの人に使ってもらうために「使いやすさ」は重要でしたが、それをかなえた上で十分な機能を持たせるのはなかなか大変です。
二つ目の課題は、使う人の個性が出せるということ。まず、WAVファイルを音源として使うことを基本にしました。WAVファイルは比較的、誰でも簡単に作ることができて、それを使えば技量はなくても作者の個性が出せると思ったからです。アイデアは安易でしたが、実装は時間がかかりました。
三つ目の課題は、拡張性を考慮した開発。音データを混ぜるという単純なシステムなだけに、いろいろな機能を追加したくなることは予想できたし、最初に思いついた機能だけでも一度に組み込むのは不可能でした。エディタを作る上で拡張性は常識なのかもしれませんが、それを考えながらソフトを作るのはこれが初めてでした。機能が重複して無駄になったり、新しい機能のために既存の機能に制限ができたり、そういうことがないように気を配ったりするのに相当悩みます。
「ピストンコラージュ」は、初心者にもおすすめのサウンドエディタです。完成した曲はWAVEファイルとして出力することもできるので、利用可能範囲は広いです。再生用DLLも用意してあるので、自作プログラムで再生することもできます。「Click&Create」や「HSP(Hot Soup Processor)」で再生するためのモジュールを作られてる方もいらっしゃいます。現在では「ピストンコラージュ」で作った曲を投稿するサイトもあって、これまでに300曲以上が投稿されています。詳しくは僕のサイトをご覧ください。
今後もVer.1.0を目指して開発を進めていくつもりです。一筋縄ではいかない細かい課題がいくつかありますが、利用者も増えてきたのでがんばりたいです。
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