音源および出力形式にWAVファイルを使える作曲ソフト。利用できる範囲が広い。「ピストンコラージュ」は、専用音源やWAVファイルを音色データに、ピアノロールベースで作曲できるサウンドエディタ。音色データをユーザが自分で編集・作成したり、作曲結果をWAVファイルに出力したりすることが可能。あらかじめ多数の音源(ユニット)が用意され、直感的な操作でオリジナルのサウンドを作れる。
曲ファイル完成までの大まかな流れは、
- 曲の設定(プロジェクトの設定)
- 音源の追加(ユニットの追加)
- 音符の配置(イベントの配置)
- 曲ファイルの出力
といったもの。まずはじめに、基本設定としてプロジェクト名や曲の拍子、テンポ、総小節数などを指定する。次は「ユニット」の追加。ユニットは、曲を構成するパートのこと。MIDIシーケンサソフトでのトラックのようなものと考えればよいが、「ピストンコラージュ」のユニットは、音色(楽器の種類)と一対一で対応する点が異なる。ユニットを追加する際は、使用する音色、基本となるキー(音程)、補正方法、「ループするどうか」なども指定する。ユニットを追加したら、次はイベントを追加する。マウスのクリック/ドラッグで簡単に入力でき、効率よく作業できる。キーイベントやボリュームイベントを配置することも可能。ボリュームイベントでは、ベロシティ(音の強度)、パニング(左右への音の振り分け)、ポルタメント、ボリュームの4種類を利用できる(現バージョンでは、ベロシティ/ボリュームは同一の機能として動作する)。
(ここまでの流れはMIDIシーケンサとほとんど変わらないが)一般的なMIDIシーケンサと大きく異なるのが、ユニット追加時の音源指定。MIDIシーケンサでは、「プログラムチェンジ」として既存の音源を選択するが、「ピストンコラージュ」では、あらかじめ用意されたボイス(*.ptvoice)/ノイズ(*.ptnoise)、さらに任意のWAVファイル(*.wav)を使用できる。例えば、ベル音をサンプリングしたWAVファイルを用意しておけば、その音を使って曲を作ることができる。
ボイスファイルはあらかじめ多くの種類が用意されているが、同梱されているボイスエディタ「ピストンボイス」を利用して、波形やエンベロープなどのパラメータを変更すれば、さまざまなボイスを作成できる。さらにWAVファイルも利用できるため、ほぼ無限の音を作成できるといってよい。
作曲されたデータは、ピストンコラージュ独自形式のファイルとして保存できる。専用プレイヤー「ピストンプレーヤー」で再生できるほか、添付DLLを使って、外部プログラムからも再生することが可能だ。さらに、WAVファイルとして出力することも可能。特殊なDLLやプレイヤーを使用しなくても、一般的な環境で再生することが可能だ。