ソフトを開発しようと思った動機、背景
ホームページやblogに画像を貼り付けるとき、どの程度のサイズがよいか、有効スペースのサイズを知りたいことがあります。また、すでに使っている画像と同じサイズの画像を作るとき、その画像サイズを知りたいことがあります。そうしたときに簡単に調べるツールがないかと探してみたところ、あるにはあるのですが、ほとんどが定規ツールを当てて測るタイプでした。これは一見わかりやすく便利なようですが、やってみると使いづらいのです。その理由は細かい目盛りを読み取るのが面倒だったり、正確に定規を当てるのが難しかったりするからです。「もっと楽に測れるものがほしい」と思ったのが開発のきっかけでした。開発中に苦労した点
特に苦労はありませんでした。自作しようと思ったとき、以前仕事でCADを作ったときの機能が使えると考えました。直線や連続線を引いたり長さを示す寸法線など、CADの機能が形を変えて生かせると思いました。図面尺度の変更も地図の尺度測定に使えるし、方眼線もグリッドの変形にすぎないのです。この開発経験のお陰で「測ルンです」は二日間で作れました。
ユーザにお勧めする使い方
これはむしろ作者よりユーザの方が上手に使いこなしているように思います。そして、作者の予想を超えて意外な使い方をしていることがメールや掲示板からも教えられました。ちょっと変わった使い方を二つ紹介します。
《ユーザーの意外な使い方と要望》
「測ルンです」の開発目的は画像サイズつまりピクセル単位の測定で達成されました。ただCAD開発の名残(?)で他の単位への変換をおまけとして付け加えました。ミリやインチ、ポイントなどがそうですが、あるとき理工学系の知識が豊富な年配(話の内容から定年退職された感じ)の方からメールをいただきました。
その方はHTMLのCSS(スタイルシート)で指定したフォントサイズが正しく表示されているかを知りたくて「測ルンです」を使ったところ、どうも表示サイズに少し誤差があると、数式と画像を交えて事細かに測定値と理論値の違いを問い合わせてきたのです。私にしてみれば、画面を直接測ること自体意味のないことだと思っていたので(注釈:同じディスプレイ上に800×600、1024×768等の異なる画面解像度を表示できるということは、画像もそれに応じて拡大・縮小されているのだから絶対的な長さを求めることはできない)、画面に定規を当てて測った結果と「測ルンです」の結果が違うという質問自体が驚きでした。しかし、同じように画面に定規を当てるユーザはほかにもいました。その類の質問が結構あったのです。
内心「これって意味ないなぁ」と思いつつ、画面ミリ単位として直接定規で測った長さと一致させる補正機能を追加することにしました。
もう一つは、先ごろ公開したVer.0.6.0のフリースケール単位に反映されていますが、これもユーザの意外な使い方から生まれたものです。この方も理系の人で光学顕微鏡や電子顕微鏡で撮影した写真を測定するためにマイクロメートルやナノメートルの極小の単位を使いたいと掲示板に投稿してきました。地図用の尺度補正ではちょっと不便だからですが、私もこれはおもしろいと思ったので、極小に限らず極大の、例えば光年等何でも好きな単位を登録して測定できるように機能を追加しました。極小の世界も極大の世界も単位の名前の違いだけで、測り方にまったく違いがないところがおもしろいです。しかも、ピクセルから正確に単位変換しながら計算する尺度補正より補正計算が単純で、しかも正確なので汎用的な測定方法といえるかもしれません。
今後のバージョンアップ予定
さすがに3次元CADのように高低差を測ることはできません。等高線のある地図を測っても、平面上の位置関係のみの測定ですが、最近興味があるのはGoogle Map(Google ローカル)を利用したWebでの測定です。Google MapのWebサービスを利用して、便利でおもしろいものができないかと考えています。
(なっちゃん)