「AzPainter」は、オーソドックスなインタフェースを持つペイントソフト。豊富なペン先や色補正、フィルタ、レイヤ、マスクなど、実用上十分な機能を備え、手軽に思い通りの絵を描ける。プログラム自体が軽量で、インストールに際してレジストリを使用しないなど、導入が容易なのも特徴。

用意されたペン先は豊富。「鉛筆」「アンチエイリアスペン」「ブラシ」「水彩」「スプレー」、すでに描画された部分をぼかす「ぼかし」や「消しゴム」「ブラシ消しゴム」、描画された部分を明るくする「覆い焼き」、逆に暗くする「焼き込み」といったものがある。もちろん、ペン先のサイズや濃淡は、ユーザが指定できる。

描画色は、RGB/HSVによる指定のほか、HLSカラーパレットを使って指定することが可能。よく使う色をパレットに置き、必要なときにすぐに使うことができる。さらに、テクスチャを使用することも可能。ユーザがテクスチャを追加登録することもでき、BMPファイルのドラッグ＆ドロップで簡単に登録できる。

描画は一般的な「直線」「円」「塗りつぶし円」「四角形」「塗りつぶし四角形」などに加え、直線の終点が次の直線の始点となる「連続直線」や、指定された点を常に始点にした直線を引く「集中線」、指定された点を通過する曲線を描ける「曲線」がある。文字を入力したり、グラデーションを描画したりといったことも可能。また、指定色の上に描画できないようにする「マスク」、逆に指定色の上にしか描画できないようにする「逆マスク」といった機能もある。

レイヤ機能も充実している。レイヤ合成モードとしては「通常」のほか、「乗算」「加算」「減算」「スクリーン」「オーバーレイ」など、15のモードが用意されている。明度やコントラスト、各種色補正、「ネガポジ反転」「グレイスケール」などの色変換機能、さらに「シャープ」「エンボス」「モザイク」といったフィルタも10種類を搭載する。

そんな人にぴったりの手軽で使いやすいペイントソフトが「AzPainter」だ。ただし、「AzPainter」は“ちょっとしたもの”どころか、相当なものを描けるだけの機能を備えている。基本的な描画ツールに加え、レイヤやフィルタ、色補正といった機能も、一般的な使用には十分で不足はないと思う。

それでもやはり最大の特徴は“扱いやすさ”“描きやすさ”にあると言っていい。奇を衒ったところのないオーソドックスでシンプルな作りで、ペイントソフトにあまりなじみのない人にも、すぐに使えるだろうと思う。ペイントが好きな人はもちろんのこと、そうでない人もちょっと絵を描く必要に迫られたときのために、持っておくのに最適なソフトだ。

開発中に苦労した点
画像処理関係にそれほど知識がなく、計算式などを探すのが大変でした。ネット上でずっと情報を探していた時が一番疲れました……。

ユーザにお勧めする使い方
シンプルに使える分、簡単に効果を組み合わせたりできると思いますので、いろいろと試して新しい効果を作ってみるのは楽しいですよ。

今後のバージョンアップ予定
フィルタはよさそうなものがあれば、随時追加していきます。全体の基本的な部分はほぼ完成しているので、今後はゆっくりと開発していきたいと思います。