ソフトを開発しようと思った動機、背景
デジカメ写真を扱う場合に、既存ソフトでは苦労する場合があります。作者の場合ハ、- 大量の写真を効率よく管理、仕分けしたい
- 縁なし印刷で、思ったより意外に狭い範囲しか印刷できない
- Exif情報をもっと利用してほしい
- 自由度の高いスライドショウアプリがほしい
- ……
などの点でした。適当なソフトが探せなかったので、Windowsアプリの勉強もかねて作ったのが「Click'n View」です。1. 大量の写真の管理
ネットワークやDVD、HDなどのいろいろな場所に散らばった画像を一括で管理するため、事前に写真を登録するアルバム形式のビューアにしました。動的にサムネイルを作るのでアルバム作成の待ち時間でいらつくことは、ほとんど感じないと思います。
2. 縁なし印刷対応
各プリンタでは実際の用紙よりわずかにはみ出して印刷することで、縁なし印刷が実現されています。このはみ出し量の考え方が各社各様です。作者のプリンタでは、このはみ出し量が20%近いものでした。Photoshopなどではみ出し分を打ち消すように画像を調整すればよいのですが、とても面倒です。このため、プリンタのはみ出し分を事前に測定して、「Click'n View」側でその分を補正して印刷するという、なんだか説明しにくい機能を作りました。結果、縁なしでも基本のWYSISWYGが可能で、印刷する前に印刷結果をプレビューで確認できます(でも、プリンタドライバではみだし量が調整可能なら、ドライバ側で調整した方がよいでしょう)。
3. Exif情報の活用
Exifには撮影情報だけでなく画像の回転情報も入っています。最近は、Exifに従って自動回転表示してくれるビューアもありますが、これを変更してくれるものは少なそうです。「Click'n View」なら、回転情報をExifに反映することができます。縦横センサがないデジカメにあとから向き情報を追加するとか、アルバムに登録した画像の向きを一度に変更するなどの荒技も可能です。画像劣化もありません。この発展系で明るさ、コントラスト、色調調整などのパラメータも一気に変更ができます。画像を表示するときに、更新内容はメモリ上のみで反映され、オリジナルは常に変更されません。これらはExif規格にないので、標準ではExifに保存していませんが、設定変更でExifのファーム情報部に強制保存することもできます。ただし、「Click'n View」の画像編集は基本的なものしかないので、本格的な編集は専用画像エディタを呼び出せるようにしています。
4. 自由度の高いスライドショウアプリがほしい
音楽付きのスライドショウは楽しいものですが、いつも先頭から開始してしまうものや、途中が飛ばせない、音楽の変更が途中でできないというアプリが結構あります。そこで、徹底的に自由度を高めるようにしました。スライドショウ中のスキップはもちろん、いらない写真が見つかったらゴミ箱へ直送もできます。
ユーザにお勧めする使い方
3.0以降でスマートコピーという機能を追加しました。コピー先に同じ画像がだぶらないようにコピーする機能で、数千-数万枚の画像を再整理したい場合に便利です。LE版では、インストールして15日以降は制限になりますので、その前に試してみてください。詳しい操作例を3.0.9でヘルプに追加しています。
パソコンのすべての画像ファイルの重複を調べるのもおもしろいかもしれません。手間は、C,D...ドライブを「Click'n View」にドロップするだけです。重複画像の検索でプログレスバーが更新されずにハングしたように見える問題は3.0.9で修正しています。
また、3.0.9ではClicknViewLE.exe(1.2MB)一本でほぼすべての機能を使えるようにしました。メモリカードやDVDなどにコピーするだけで直接動きます。単体起動時の制限は、スキン変更ができない、組み込みの音楽がない、宮坂氏のifjpegx.spiがない場合、画像表示が遅くなるの3点です。
開発に苦労した点、反省点
●見た目(作者の趣味)の問題からボタンなどに独自コントロールを使うようにした影響で、プルダウンメニューまでも0から作らなくてはならなくなってしまった。こんなことなら、標準部品だけで作るべきだったと深く反省しています。
●この結果、ユーザインタフェースがWindows標準と違いすぎて使いにくい部分が多々できてしまった。
●各機能はできるだけユーザ変更ができるようにしたが、逆に選択オプションが多すぎて不親切な部分が多々ある。
など現在、反省点だらけです。
今後のバージョンアップ予定
今後のバージョンアップ予定としては、
- 普通のWindowsアプリと操作の統一感を向上させたい
- オプションを減らして、シンプル操作で使えるBASIC版の開発
- OpenGLを利用して本物のアルバムライクな見た目の追加
- シェルインタフェース(エクスプローラ型)のサポート
- スライドショウの単体実行ファイルとして書き出し
- フラッシュアニメーション作成機能
- フレーム付き印刷、カレンダー壁紙などの小物
などがあります。
(Hiyamu)