父を探すために旅に出る(はずだった)兄妹とその仲間が織り成すRPG。全編コメディタッチで、楽しみながらプレイできる。「StarlyNoise」は、魔法のような技術「組法術」が発達した世界が舞台のRPG。主人公は、組法術の才能を持つ少年・エルマー。エルマーの父も強力な組法術士だったが、エルマーが6歳のころに「巨大な力を秘める『星々のざわめき』と呼ばれるアイテムを探すために旅立つ」という置き手紙を残して、失踪してしまう。組法術士として成長したエルマーは、同じく組法術の力を持つ妹とともに旅に出る、はずだったのだが……。意外な伏兵に邪魔をされ、なぜか「おつかい」の旅に出ることに。プレイ時間は1〜2時間程度と短く、気軽に楽しめる。
特徴はなんといっても、漫才のようなテンションの高いセリフのやりとりと、コミカルなストーリー展開。主にツッコミ担当の主人公と、一見クールな外見ながら、ボケ担当の妹・セリージュのやりとりは、見ているだけで楽しい。さらに、組法術による破壊が大好きな女泥棒や、謎の呪いにかけられた男性、研究マニアのマッドサイエンティストなど、さまざまなキャラクタが仲間として加わってくる。
メインキャラクタに加え、一部の敵キャラクタやただの街の住民までもが、「これでもか」というほどのボケとツッコミで登場する。重厚でシリアスなストーリーのRPGが多いなか、最初から最後までハイテンションなギャグで楽しませてくれる。
独自のゲームシステムも特徴のひとつ。敵と戦って勝利すると経験値がたまり、一定の経験値を手に入れるとレベルアップできる。ただし、レベルアップにはかなりの戦闘数が必要な上、レベルアップだけではあまり能力値が上がらない。このため、中盤以降の強い敵と戦う前に覚えておきたいのが、強力な組法術だ。一般的なRPGではレベルアップ時に魔法などを覚えることが多いが、「StarlyNoise」ではスタート時に数種類の組法術を覚えているものの、レベルアップ時に新しい技を覚えることはない。
新しい組法術を覚えたい場合に必要となるのが、敵を倒した際に手に入る「マナ」ポイント。マナは、経験値とは別のポイントで、主人公はゲーム開始時から、アイテムとして「マナ変換機」を持っている。マナ変換機を利用すると、集めたマナを消費して「組法術を覚えるためのアイテム」を作成できる。このアイテムを使用すれば、以降の戦闘から新しい組法術を使えるようになる。作成できる組法術は数種類あり、強い組法術ほど多くのマナを必要とする。
強い敵と戦うためには、旅の途中で購入できる武器や防具、各種のアイテムなども重要。「StarlyNoise」では、敵を倒しても「お金」にはならない。金を手に入れるには、マナを組法術アイテムに変換し、このアイテムを売却する必要がある。そのため、装備と組法術の習得のバランスが重要になる。
敵と戦う際に気をつけておきたいのが「AnLimit」モードの存在。AnLimitモードに入ったキャラクタは、戦闘時に毎ターン20%体力上昇するほか、ターンごとに必殺技を使用するのに必要なMPが全回復する。さらに、自動的に敵にダメージを与えてくれる。味方側に非常に有利なモードだ。AnLimitモードを発動する条件は、そのキャラクタの最大MPの2倍のMPを使用すること。最大MP数値が大きいキャラクタほど、なかなかAnLimit状態になりにくい。
AnLimit状態を確認するには、メニュー画面で各キャラクタのステータスを見ればよい。キャラクタ名の横に「□」アイコンが5個並ぶゲージがある。この「□」アイコンが5個とも「■」になればAnLimitが発動する。ゲーム内では強い敵と戦う前に警告が表示されることが多い。このため、ボス戦の前にAnLimitゲージをためておくと、少しは戦闘を有利に進められる。