湖上に設置されたプラットホームから滑空機を飛ばして飛行距離を競う、特定競技をターゲットにしたフライトシミュレータ。「鳥シミュ」は、琵琶湖で開催される自作人力飛行機コンテストの滑空機部門をターゲットにした3Dフライトシミュレータ。コンテストへの出場を希望するチームの機体設計補助および操縦訓練補助ツールとなることを想定して作られている。ただし、操作は簡単。専門的な知識を持たない人でもすぐに使うことができ、滑空機の飛距離を競うゲームとして楽しめる。
操作はキーボードで行える(一部、マウスも使用可能)。スペースキーを押して機体を発進させ、【↑】/【↓】(マウスの左ボタン+上下移動)を使って尾翼の角度を変化させる。尾翼の角度は、画面右下にある目盛りで確認することが可能だ(1目盛りが1度に相当する)。
特徴のひとつが、充実した視点切り替え機能。フライト中に【1】〜【4】の数字キーを押すことで変更できる。【1】が機体後方からの定位置視点、【2】がコックピット視点、【3】が自由視点(フライト中にカメラの位置を自由に変更できる)、【4】が観客席からの視点となっている。条件を揃えて飛行データを取ることを目的としているため、さまざまなアングルから状態を確認できるようになっている。
初期状態では800×600のウィンドウモードで起動するが、付属の「BootConfig.exe」を使用して起動オプションを変更すれば、ウィンドウサイズを変更したり、フルスクリーンで起動したりすることもできる。
動作モードは「ゲームモード」「設計モード」の2種類。「ゲームモード」は、滑空機の飛距離を競うゲームとしての楽しみを引き出してくれるもの。ランキング10位までの飛行記録が登録され、一定時間ユーザによる操作がないと、登録済みのデモデータがランダムにリプレイ再生される。ランクインできなかった場合でも、その直後に一度だけ視点を自動的に切り替えながらリプレイ再生を楽しめる。
「設計モード」は、オリジナル機体を作成するためのモード。飛行データ収集の妨げにならないよう、ランキングやリプレイ、オートデモなどの機能が省かれ、頻繁に機体データを書き換えてテストを行うのに適している。フライト終了後、必要に応じて0.02秒ごとの座標、ピッチ角、速度、揚力などの詳細なデータをCSV形式で出力することが可能だ。
発進条件や飛行環境を変更することもできる。発進条件では「初期高さ」「初速度」「飛び出し角」の3項目を設定でき、飛行環境では「風速」を設定することが可能だ。
使用する機体を変更したり、オリジナルの機体を設計したりも可能。あらかじめ初心者用中速機「Planet」と中上級者用の高速機「Albatoross」の2機種(法政大学−航空工学研究会設計)が収録されている。
機体の設計では、「機体重量」「主翼前縁から重心位置までの距離」「主翼前縁から水平尾翼までの距離」「慣性モーメント半径」「有害抵抗係数」を設定できるほか、区間ごとに設定した主翼形状データから「翼スパン」「平均空力翼弦長」などが自動計算される。「尾翼」「主翼翼型特性」「尾翼翼型特性」の編集も可能。設定した機体データはシミュレータの機体形状にそのまま反映され、飛行データを取ることができる。