「卒煙式」は、卒煙開始からの「日数」「延びた寿命」「節約できた金額」「吸わなかった煙草」の本数をユーザに意識させることで、卒煙をより確実なものにするための支援ソフト。さまざまなイベントが起こったり、ステータスが段階的に変化したりと、ユーザがモチベーションを維持できるよう配慮されている。

利用する際にはまず、「一日あたりに吸っているタバコの本数」「一箱（20本）あたりのタバコの金額」、さらにはショート/スタンンダード/ロングといった「タバコのサイズ」を初期設定する。決意ができているなら「卒煙を開始する」を実行すればよい。以降は卒煙が続く限り、さまざまな情報を表示してくれる。

大きな特徴は、ユーザに卒煙を継続させるための細やかな配慮。卒煙開始から現在までの変化を、見える形で“実績”として教えてくれる。「延びた寿命」「節約できた金額」などを確認できるほか、肺の状態をグラフィック表示したり、ステータスを表示したりしてくれる。肺の状態は、開始時は黒だが、経過するにつれて茶色/赤/ピンクと変化する。ステータスは「二等兵」からはじまり、約1ヵ月で「大将」、90日で「神」となる。

さらに、経過日数はテキストのほかにブログレスバーでも表示される。そして、イベント日になると「アヒル隊長」がお祝いにかけつけてくれる……といった具合だ。

「卒煙式」は喫煙生活を卒業したい人のための支援ソフト。卒煙してから吸わなかったタバコの本数や、買わずに済んだタバコの金額といった具体的な数字から、伸びた寿命や肺の状態のように、卒煙をはじめたばかりでは実感しにくい効果まで表示してくれる。毎日の励ましメッセージや伸びていくプログレスバーも、初心を思い出すきっかけになるだろう。

タバコを卒業するのはやはり意志次第。いろいろな工夫でモチベーション維持を支援してくれるので、卒煙生活のパートナーになってくれるだろう。「卒煙したいがきっかけが……」と思っている方は、試してみてはいかがだろうか。

──開発中に苦労した点は何でしょうか？
「卒煙したときに現れる禁断症状は各人各様です。またソフトを使用する人の性格も年齢も性別も千差万別です。こうした多種多様な人を対象にして、“今日の一言”や“長さのテキスト”などのイベントを用意しないといけません。これは結構神経を使う作業です。ある人にとっては励ましの言葉になるかもしれないけど、ある人にとっては落ち込ませる言葉になるかもしれない。ある人にとっては笑えるネタであっても、ある人は下品と感じるかもしれない。できるだけ幅広い方々に受け入れられるテキストを選んでいるつもりですが、やはり選定している私の趣味がかなりでていると思います。このあたりはユーザのご意見を聞きながら、今後のバージョンアップで修正していきたいと考えています」

──ユーザにお勧めする使い方とかありますでしょうか？
「『卒煙式』の使い方は一様ではなく、工夫次第でいろんな使い方があると思います。例えば、コピーボタンでステータスや卒煙日などのテキストをクリップボードにコピーできますが、貼り付け先は自分の公開ブログ、あちこちにある禁煙掲示板、非公開の私的な日記、友人へのメールなどいろんなところが考えられます。あと卒煙に成功した人は卒煙式を記念にとっておかれるのがいいと思います。卒煙日が記録されていますので、数ヵ月後とか数年後とかに立ち上げてみると、卒煙直後の苦労とか思い出されておもしろいと思います」

──今後のバージョンアップ予定とか？
「卒煙後2ヵ月〜3ヵ月あたりのサポートをもう少し厚くしたいので、そのあたりを中心にソフトの成熟を進めていく予定です。携帯版の開発も計画しています」

──最後にこれから卒煙される方に一言ありましたらどうぞ
「たとえ卒煙に失敗したところで、失うものなんて何もありません。気楽に楽しく、まずはトライしましょう」